vol.424 アニマルウェルフェアの重要性とは?
人と動物との共存のために

column

2024.04.22

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犬や猫などペットを飼っている方は多くいるはず。
生活の中で、ペットを飼っている方は、人と動物の共存を意識しているはず。

では、普段口にする、鶏や牛などの家畜はどのような育てられ方をしているのでしょうか?
そんな畜産のあり方を考える「アニマルウェルフェア」という考え方をご存知でしょうか?
あまり聞いたことが無い方もいるかもしれませんが、今回はアニマルウェルフェアということについて取り上げます。

アニマルウェルフェアとは?基本的な概念

アニマルウェルフェアとは、動物福祉と訳されます。
世界の動物衛生向上を目指す政府間機関国際獣疫事務局(OIE)によると、「動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」として定義されています。
このアニマルウェルフェアの概念は、農業動物、実験動物、ペット、野生動物を含む、人間の保護下にある全ての動物に適用されます。

この概念をもう少し具体的にすると、人間の活動に関わるすべての動物が、生まれてから死ぬまでの間、動物が本能的に持つ行動を表現できる環境を確保し、病気や苦痛、不必要なストレスからの保護も含んだ健康で快適な生活を送れるようにすることを目指しているものです。

アニマルウェルフェアの推進によって、倫理的な責任感に基づき、動物への尊重と共感から発生し、人間と動物双方の福祉向上に寄与することが期待されています。

アニマルウェルフェアの歴史

アニマルウェルフェアという考え方が誕生したのは、1960年代のイギリス。イギリスの家畜福祉の活動家ルース・ハリソンが著書『アニマル・マシーン』の中で工業的な畜産の虐待性を批判し、注目を集めたことがきっかけで、英政府は「すべての家畜に、立つ、寝る、向きを変える、身繕いする、手足を伸ばす自由を」という基準を提唱。

アニマルウェルフェアを確立するための以下の「5つの自由」が1965年に策定されました。

・空腹と渇きからの自由
・不快からの自由
・痛みや傷、病気からの自由
・正常な行動を発現する自由
・恐怖や苦悩からの自由

これが現在の動物福祉政策の基準であり、国際的な共通認識となっているのです。

生物多様性の保全と環境保護におけるアニマルウェルフェアの必要性

現在確立されている畜産動物の飼育方法ではなく、なぜアニマルウェルフェアが重要視されるのでしょうか?

アニマルウェルフェアは、人が一方的に動物を守るのではなく、命を育み共存するところにあり、人間にとってもメリットがあります。

その一つは「生産性が上がる可能性がある」ということです。

近年の研究では飼育環境を改善し、ストレスや疾病が少ない環境で育てられた家畜は良質なものになるという報告が多く上がっています。
適切な管理や環境下で飼育された動物は、家畜本来の能力が引き出されることでより健康になり、ストレス軽減や疾病を減らすことができます。
その結果、生産性の向上や安全な畜産物の生産につながります。

それに、近年は商品やサービスを選ぶ際に社会や環境に負荷をかけていないかを重視する「エシカル」や「サステナビリティ」の考えが徐々に広がっています。
それによって、社会・人・環境だけでなく健康な家畜による畜産品が欲しいとの消費者の需要は高まっています。

こういったことを重要視している人にとって、アニマルウェルフェアへの取り組みは商品を選ぶ際の基準になるので、今後ますますアニマルウェルフェアは求められていくでしょう。
認知が今後広がれば広がるほど、ブランド価値の向上につながることにつながっていくでしょう。

アニマルウェルフェアの現状と課題

海外の現状

海外では、家畜の工業的な飼育システムの利用を禁止する動きが加速している状況です。
特に、先進的なのはヨーロッパです。1997年、欧州ではEUの憲法にあたるアムステルダム条約の中で、放し飼いやケージ・つなぎ飼いなどからの開放を盛り込んだ法的にも拘束力を持った議定書が提出されました。

こういった取り組みは、オーストラリアやアメリカ、カナダ、ニュージーランドなどでも広がっています。ケージやつなぎ飼いがすでに禁止や廃止になっている国があります。また、そうなっていない国でも徐々にそのように向かう動きになっています。
ケージやつなぎ飼い以外でも、ペットショップでの犬・猫の販売禁止や動物虐待の罰則化、イルカやシャチなどのショーが禁止となっていたり、アニマルウェルフェアに関するラベルや認証マークの表示も広まっています。

アジアでは、中国でアニマルウェルフェアの取り組みを行っている畜産業に対して表彰を行っていたり、韓国、台湾などでも飼育環境改善や家畜の屠殺の法制定が始まっています。

日本の現状

一方、日本では、海外に比べるとアニマルウェルフェアへの取り組みは、遅れていると言われています。
農林水産省がアニマルウェルフェアの考え方や実践のためのガイドラインなどを設けて普及活動を進めています。
しかし、数年前までは、アニマルウェルフェアということ自体を知らない人が多く存在していますし、まだアニマルウェルフェアに関する法律がありません。
そのため、世界中で動物保護活動を行う世界動物保護協会(WAP)が発表した「2020年の動物保護指数ランキング」で、日本は最低ランクのGになっています。

遅れているとはいえ、アニマルウェルフェアに取り組み始めている企業は増えてきています。

日本ではまだまだ始まったばかりで、知らない人も多いアニマルウェルフェア。
ですが、今注目されているSDGsとも大きく絡んでくる課題なので、動物たちの命と、私たちの命、そして地球の未来のために、まずは知ってみてください。
そして、日々の行動や選択を少しずつ変化することが大切です。

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参考
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html#:~:text=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%8B%95%E7%89%A9%E8%A1%9B%E7%94%9F%E3%81%AE,%E3%81%A8%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://awfc.jp/about/about-awfc/
https://nbafa.or.jp/sustainable/kaisetsu/kaisetsu04.html
https://exidea.co.jp/ethicalchoice/journal/ethical/animal-welfare/
https://wankonowa.com/column/before-living/926/
https://agri.mynavi.jp/2023_12_10_248613/#toc-2
https://arcj.org/issues/legal-advocacy/8-reason-for-animal-welfare/
https://www.smart-tech.co.jp/column/environment-issues/animalwelfare/
https://eleminist.com/article/410
https://kokocara.pal-system.co.jp/2021/04/30/animal-welfare/
https://spaceshipearth.jp/animal-welfare-2/
https://green-note.life/6127/

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