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日常生活の中で仕事が忙しかったり、疲れていたりすると、ついつい手を抜きたくなるのが食事。
最近では作り置きのレシピ本なども流行っていて、本屋でよく目にしますね。
今日はそんな忙しい女性にぜひおすすめの調理法をご紹介します。
その名は「重ね煮」。初めて聞いたという方も少なくないのではないでしょうか。
名前だけ聞くと、煮物料理かな?というイメージを持つ方もいるかもしれません。
重ね煮とは
重ね煮は、砂糖も化学調味料も使わず食材のうまみを最大限にひきだす調理法です。
その調理法は簡単で、食材には種類によって陰と陽の力があるので、陰陽順に重ねて、無水もしくは少量の水で煮ていくだけ。(調理法は後程説明します)
それなのに、驚くほどにおいしい。
それは、その食材本来が持っている自然の「うまみ」を最大限に引き出してくれる料理法だからです。
重ね煮の歴史
重ね煮の歴史は意外と古く、戦後間もない1947年に遡ります。
長崎に住む食養料理家の故・小川法慶先生(1910-1994年)によって考案されました。
小川先生は、東洋の思想、陰陽調和の考えを生活に反映させた正しい調理法、食事法の普及と実践に尽力をされ、「料理は自然界と私たちの命をつないでいるもの。だからこそ自然に対して畏敬の念と感謝の心で接し、愛情をもって 料理をすることが大切である。そのことを心がけ実践したときに、人は幸福感に満たされ、健康も得られる。」と考え、この調理法を生み出されました。
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"陰"の食材と"陽"の食材
東洋ではすべての食材に対し陰と陽が決められ、それぞれに特徴があります。
特徴は、以下の通りです。
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陰の食材の特徴
陰性の食材には、ゆるめたり体を冷やしたりする働きがあります。
陰性の野菜は、太陽に向かって伸びていく遠心的エネルギーをもつ葉菜や果菜。暖かい地域で育つ野菜、夏が旬の野菜も陰性です。
陽の食材の特徴
陽性の食材には、締めたり暖めたりする働きがあります。
陽性の野菜は、地下に根を張って大地へと向かう急進的エネルギーをもつ根菜。寒い地域で育つ野菜、冬が旬の野菜も陽性です。
そしてこれらの食材を下から順に重ねて、火にかけることで、鍋の中に対流が生じ、食材同士が調和して、それぞれの持ち味が生きたおいしい料理ができるという仕組みなのです。
この方法だと、砂糖も化学調味料も必要なく、最小限の調味料で驚くほどおいしくなります。 根っこや皮やアクさえもうまみに変えてくれるので、自然のおいしさを丸ごといただくことができるのです。
食材を入れる順番と作り方の基本ルール
食材を重ねる順番
重ね煮を作る上で大切なのは、重ねる順番です。重ね煮では、陰性葉っぱを下に、陽性の根っこを上に重ねます。 これに火を加えることで、上に向かおうとする力と、下に下がろうとする力が働き、鍋の中で野菜が調和するので野菜がぐっとおいしくなるのです。
ですから野菜が上手く調和するかは、重ねる順番にかかってきます。
以下のように重ねましょう。
(上)
肉・魚介類
根菜類
いも類
葉物類
果菜類
海藻類
きのこ類
(下)
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調理してみよう!基本の重ね煮
基本の重ね煮は誰のお家にもある「椎茸、玉葱、人参」で完成します。
どんなお料理にも変身しやすい3種類の野菜。
★用意するもの
・蓋付きのお鍋
土、鉄、セラミック、ステンレスの素材のお鍋はおすすめです。
ただし土鍋のように、穴が開いていて蒸気が逃げるものはNGです!
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・塩
重ね塩に使用する塩は、ミネラル豊富な海水塩がおすすめです。
・主役の野菜!
基本の重ね煮では、椎茸、玉葱、人参を使用します。
野菜はなるべく有機栽培や無農薬のものを使用し、野菜の皮はむかずにアク抜きもしません。さらに、素材の持ち味を存分に生かしたいので、だしもとらなくてOKです。
道具と素材が揃ったら、あとは野菜を切って重ねるだけ!
順番は下から陰性、次に陽性と重ねます。
陰性というのは、きのこ類など上に向かって伸びるもの、陽性は根を生やし下に向かって伸びるものです。
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調理法
① パラパラ~っとお鍋の底に塩を一つまみ、回し振ります。
”おいしくな~れ”の気持ちも一緒に投入します!
② 椎茸は軸をはずし、石づきを取ります。かさの部分は薄切りに、軸は千切りにします。それを鍋に平な層になるようにいれます。
③ 玉ねぎの回し切りをして、椎茸の上にいれます。このとき も平らな層になるようにします。
④ 人参は縦の繊維にそって、4~6㎝長さの千切りにします。鍋の玉ねぎの上に平になるように人参をいれていきます。
⑤ 最後に上から塩を一つまみ。全体的にふりかけてください。
⑥ ふたをして弱火で30~40分煮込みます。
人参の香りがしてきたら、少し蓋をあけ人参が柔らかくなっているかを確認してみてください。
柔らかく甘くなっていたら出来上がり!
⑦ 火を止め木べらなどで野菜を混ぜて、バットに移して素熱を取ってください。
この状態で、冷蔵で約5日保存できます。すぐに使わない場合は、冷凍も可能です。
数種類の食材を使って重ね煮を作り置きしておけば、さまざまな料理にアレンジすることだってできちゃいますよ。
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この基本の重ね煮があると、
味噌を足して即席の味噌汁や、
ルーと煮込んでカレーやシチューが時短でできちゃいます。
また、ひき肉とまぜてやけばハンバーグや肉団子も。
蒸かしたじゃがいもとまぜてポテトサラダやコロッケにも。
さまざまなアレンジが手軽にできちゃいます。
野菜がたくさん食べられる、栄養バランスが抜群、保存がきく、この重ね煮レシピ。
覚えてしまうとかなり便利です。
にんじんなどは皮ごと使えるので、ぜひ野菜を選ぶときはオーガニックのものを選ぶのがおすすめです。
アレンジレシピもネットで検索すると出てくるので、ぜひ試してみてください。
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