先日、商店街の酒屋さんの前を通ったときに、いつもと違う風景が。
寒空の下で、大きなお鍋を出して、甘酒をふるまっていたのです。
私も一杯いただきました。
ほんのりかおるお酒の香りに、一口ゴクリ。
甘い味わいを感じつつ、おなかの底から温まるのを感じつつ、
昔は母親が寒い日によく粕汁をつくってくれていたりもしました。
その味が懐かしく、結局一袋酒粕を購入してしまいました。
でも、ふと、そもそも酒粕ってどういうものなのでしょう。
なんとなく体によさそうだけれど、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
酒粕について調べてみました。
酒粕とは
日本酒の製造工程で生まれる酒粕。
発酵したもろみを、圧搾した後に残る固形物のこと。
もろみは、ご飯を炊くときのようにお米を洗米して蒸したあと、水と米麹を加えて発酵させると完成です。
もろみの状態で、糖化と発酵を同時に行い、その後搾って透明な液体にしたものが日本酒になるのです。
このもろみを搾った際に出る、搾りカスこそが酒粕の正体。
酒粕に含まれる栄養素と効果
発酵したもろみからできる酒粕は、ぎゅっと栄養価が詰まっています。
・炭水化物
・食物繊維
・タンパク質
・脂質
・ビタミンB1、B2、B5(パントテン酸)、B6(ピリドキシン)
・葉酸
・ミネラル
・アミノ酸
・酵素
などの栄養素がたっぷり詰まっています。
その中でも、注目したいのはタンパク質。
酒粕に含まれるタンパク質は、レジスタントプロテイン(難消化性タンパク質)という成分が含まれています。これは食物繊維の機能を持つタンパク質で、胃で消化されずに大腸まで届き、体内で脂肪を吸着して、そのまま体外に排出します。
加えて、発酵で使われる菌は腸内環境を整えてくれます。善玉菌が繁殖しやすくなることで消化吸収がよくなり、基礎代謝が高まることにつながるのです。
基礎代謝が高いほど脂肪は燃えやすくなります。酒粕を食べるだけで、脂肪が燃えやすい体を作ることができます。
そのため、女性にとって嬉しい便秘改善やダイエット効果が期待できるのです。
また、善玉菌が増え、腸内環境が整うと免疫力を高めてくれるので、風邪やインフルエンザの防止、アレルギーや花粉症の抑制にもつながってきます。
他にも、葉酸は血液を作ってくれる効果があると言われるので、貧血気味の方にもおススメだったり、
高血圧や生活習慣病や脳梗塞、骨粗しょう症なども予防できるとも言われています。
アミノ酸が豊富なので、日々の疲労回復にももってこい!
といいことづくめな酒粕です。
酒粕の種類
日本酒を作る過程で生まれる副産物なので、大きく分けて日本酒と同じように「吟醸酒粕」「純米酒粕」があります。
吟醸酒粕
吟醸酒を製造するときに搾り出される酒粕です。強く搾らないため、日本酒の栄養価が残っています。
純米酒粕
純米酒を製造する際に搾り出される酒粕のことです。お米と米麹だけで造られるため、お米本来の味わいや旨味を感じられます。酒粕を使用して料理するなら、純米酒粕がおすすめです。
そして、長方形に切り取られた"板粕"、その端切れを集めた"バラ粕"、清酒などを添加してペースト状にした"練粕"などそれぞれに形状が違うものが販売されています。
酒粕の保存方法
アルコールを含んでいる酒粕は、菌が繁殖しにくいため比較的日持ちします。
だからといって、そのままにしておいていいわけではありません。酒粕は熟成が進んでいく食材であり、温度が高いと熟成も早く進みます。
量や使用頻度に合わせて保存方法は変えてください。
常温保存
菌が生きているため、保存温度が高いと熟成が進みます。
常温保存の場合は、直射日光の当たらない涼しいところで保管してください。
未開封で3~6カ月程度、開封後は2~3週間もつと言われています。
冷蔵保存
冷蔵でも少しずつ発酵は進んでいきます。
とはいえ、常温よりも熟成のスピードはゆっくりなので、常温保存よりも長持ちします。
密閉の袋に入れていると、破裂する場合がありますので、小さな穴をあけておくことがおすすめです。
空気に触れると乾燥してしまうので、容器や保存袋などで、できるだけ密閉した状態にして保存しましょう。
冷蔵の場合は、常温よりも長く、半年程度もつと言われています。
冷凍保存
長期で保存したい場合は、冷凍がおススメ。菌の活動が止まり、熟成も進みません。使いやすいように小分けにして、使うときは自然解凍してください。
冷凍すると、どうしても水分やアルコール分が蒸発してしまうというのがデメリットです。
酒粕を摂る時の注意
酒粕の食べ過ぎで注意したいのは、カロリーだけではありません。酒粕は5~8%程度のアルコール分を含んでいます。そのため、食べ過ぎると酔っ払った状態になってしまいます。過去には粕汁を食べたあとに飲酒運転で捕まった事例もあります。
運転をしないにしても、アルコールは眠気を誘い、集中力や判断力を奪ってしまいます。夕飯後や寝る前に摂るようにするなど、タイミングにも注意が必要です。
日本酒を造る過程で残る酒粕とはいっても、どれでも同じというわけではありません。
使う酒米によって日本酒の味や風味が変わるように、
酒粕も酒米の種類によって風味が大きく異なるのです。
無農薬米でできたオーガニックの酒粕なんかもあります。
ぜひ、いろいろと味の違いを楽しみつつ、普段の食事に摂り入れてみてくださいね!
参考:SAKETIMES「https://jp.sake-times.com/」
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