vol.192 ヴィーガンの街が実現する!?
アメリカのバークレー市の取り組みとは!?

column

2022.02.14

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アメリカのバークレーという街の名前を聞いたことがありますか?
アメリカ西海岸にある人口12万人程の小さな街で、サンフランシスコから車で30分ほど。
実は、1960年代のヒッピー文化発祥の地でもあり、学生や若者が多い街として知られています。そんな小さい街が、今世界的に話題となっているのです。
話題になっている内容とは、「ヴィーガンな街」を掲げたこと。
一体なぜヴィーガンな街にしようと思ったのでしょうか?
その背景を探っていきたいと思います。

環境問題に取り組むバークレー市

このバークレー市、環境問題にかなりの関心があり、「ヴィーガンな街」提唱の前から様々な取り組みをいち早くスタートさせています。
例えば、
・1970年代、ゴミのリサイクル対策を確立
・2017年には毛皮販売の廃止
・2018年には「ヴィーガン・マンデー」の採用
・2050年までにはバークレーの温室効果ガス排出量を80%削減目標
など、バークレーに住む住民や学生の要請を受け、積極的に環境に配慮したライフスタイルを推奨しているのです。
そんなバークレー市、今度は「ヴィーガンな街を作り上げよう」と考えているのです。

2024年までに動物性食品50%削減へ

バークレー市では、進歩的なライフスタイルを実践する住民、学生が多く、また、動物愛護団体のバックアップもあります。そのため、その声は行政へ届き、2021年7月21日に、「2024年までに市の公共施設での動物性食品を50%削減する」ことがバークレー市議会で決議されました。
合わせて、50%削減された部分を「植物性食品に置き換える」ということも。

市の公共施設ということで、学校の食堂や、市が運営するレストラン、刑務所など、あらゆるところで動物性食品に代わり、植物性食品へと徐々に置き換えて行き、長期的になりますが、将来は動物性食品の購入を廃止する方向性に向かっています。

住民、学生、動物愛護団体からの声が自治体を動かしたわけですが、ヴィーガン食を市営施設で取り入れるというのはアメリカでは初めてのことでもあります。

ヴィーガン食で地球の環境が良くなる!?

ヴィーガン食は、動物愛護団体の働きかけもあり、動物の生命を尊重するという側面もありますが、気候変動の大きな原因は、食品からの温室効果ガスの排出、とりわけ動物性食品が大きく関与するという側面が実は大きいのです。

アメリカでは肉の消費量は大変多く、全世界の1人あたり世界消費量の2.6倍の肉を消費しているとのこと。
世界中で温室効果ガスの削減を目標としているのに、市をあげて動物性食品の抑制を図っていかないと削減目標へは到底達成できない…とバークレー市は考えています。

肉の消費がどうして環境によくないのか!?

食用のために動物を飼育することは、実はかなり地球へ負担がかかっているのです。

水質汚染の問題

食用のために飼育されている動物たちは大量の抗生物質やホルモン剤が投与されており、また、化学肥料を食した動物たちの大量の排泄物とともにそれらは水質汚染問題へ繋がっています。

土壌汚染、劣化

農薬や化学肥料を使用することにより、土の栄養分が過剰になったり、不足になったり、土のバランスが崩れる要因の一つに。
また、化学肥料が含まれた土壌は雨で川に流れ込み、水質汚染にも繋がり、最終的には海洋生物にも影響を与えています。

森林破壊

農場を作るため、牛の放牧のために、森林伐採も行われ、気候変動の原因にもなっています。
森林伐採により、森林破壊が生じ、多くの動物たちの生態系が崩れたり、絶滅へと追い込まれる野生動物も少なくはありません。

穀物の大量使用

1kgのステーキを生産するにはなんと25kgの穀物が必要。私たちも穀物を食べますが、大量の穀物が必要となるのはなんと畜産なのです。
そのため穀物用の農地を作るために森林を伐採し、生態系破壊へも繋がっています。

水不足

1kgのステーキを作るために、約20000ℓの水が必要と言われています。
ちなみにトマト1kgを生産するのに必要な水の量は約130ℓ。
水の惑星と呼ばれるこの地球。ですが約10年後には世界人口の半分が水不足になると言われています。

バークレー市の目的

畜産業は環境汚染や気候変動の要因の一つになっており、動物性食品を市が購入することは、環境破壊への加担であり、畜産業から脱却をすることにより、今以上の環境破壊を起こさないようにすること、そして、他の市や他の国が同じような行動を取った時に、バークレー市が積極的に前例を作り、見本としてもらえることが取り組みの目的です。

さらにバークレー市は動物の生命を大切に考え、動物の生きる権利の尊重を更に推進することでもあります。

ヴィーガンの街から見る私たちの課題

バークレー市のように行政が動物性食品削減を取り入れたことは、動物愛護団体、そして市民の声を聞き入れてくれたことから始まりました。

個人個人が環境問題を意識し、日々の生活の中で様々な取り組みを行うことも大切なこと。
しかしながら現在の地球は悲鳴をあげているように感じられます。
これ以上の環境破壊を起こさぬよう、一人一人が声をあげて行くことがより大切なこととも思われます。

市民の声は行政をも動かすことも可能です。地球が穏やかになり、安心して生活できる環境を作り出す力を持っているのは私たちなのかも知れません。

そして動物への人道的な扱い、植物性食品を中心にした食生活を心掛けることにより、私たちの住む地球に笑顔が戻ってくれることとなるでしょう。

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