vol.111 フェイクミートって知っていますか?
フェイクミートがもたらす未来の食事

column

2021.06.17

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大手ハンバーガーチェーン店で大豆ミートのバーガーが販売されていたり、
スーパーなどで大豆肉が販売されているのを見たことがありますか?

アメリカや欧州など、世界中の若者や健康志向の方々を中心として、植物由来の肉ブームが加熱していて、日本でも少しずつ目にする機会が増えてきました。

フェイクミート(代替肉)とは?

代替肉とは、肉に風味や見た目を似せた食べ物のこと。

こうした肉に代わる代替肉には、大豆等植物由来のタンパク質からなるフェイクミートのほか、まだ研究段階で市場に販売はされていませんが、動物の細胞を組織培養して得られた培養肉などもあります。
また、植物由来のものには大豆のほか、小麦、エンドウ豆、ソラマメなどが使われているものもあります。

さらに、植物性の代替肉にも、動物油脂や肉エキスなど動物性の添加物を含んでより実際の肉に味・風味を近づけたものと、ヴィーガンでも食べられる動物性添加物を一切含まないものなど様々。

最近では製造技術も向上し、味・風味・食感も本物の肉にかなり近く違いがわからないような製品も出てきて おり、より抵抗なく食べられる方も増えてきたのではないでしょうか。

世界と日本のフェイクミート事情

これらの代替肉のうち、フェイクミートは世界的に流行し、人気を博しています。マクドナルドやバーガーキング、KFCなどの外食大手チェーンでも代替肉の使用が開始され、ネスレ、ユニリーバなどの様々な企業も参入に積極的です。
特にアメリカでは様々な企業がこの分野に参入しており、上場した企業がでてくるなど業界は活気づいて います。今後ますます市場規模が拡大することが、世界各国の金融機関・市場調査会社で予想されているそう。

国内企業でもフェイクミート分野への参入が相次いでいます。
大豆を原料とする大豆ミートの国内老舗企業と呼ばれる企業としては、マクロビオテックのオーサワ・ジャパン株式会社や、ベジタリアン食材の株式会社かるなぁなどが挙げられます。
以降も大手企業から中小企業まで、続々と参入しています。

このように様々な企業が取り組んでいることからみても、世の中に代替肉が受け入れられ始めている証拠といえるでしょう。
では、その代替肉の魅力はどういったものなのでしょう。

フェイクミートの魅力 その1 健康志向

フェイクミートは、アメリカなどの特に肉食が主流の国々で流行しています。
近年では豆腐などのようにヘルシーかつ高タンパクな食材が好まれ、特にコロナ禍においては今まで以上に健康志向が強くなっています。
肥満予防・ダイエット目的として、低カロリーで高タンパクかつビタミン・ミネラルなど栄養豊富な点が人気の理由の一つです。

特に大豆は、脂質、糖質、ビタミンB1、ビタミンE、葉酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅など、様々な栄養素を豊富に含む優秀な食材。
肉食中心でこれらの栄養バランスが悪くなりがちな食生活の方は、今までのように肉(のような代替肉)料理を楽しめるのにヘルシーで栄養豊富であることから、値段が高くてもこういった代替肉を積極的に購入する人が増えています。特に若者の間ではトレンドの一つとして定着しています。

フェイクミートの魅力 その2 ベジタリアン・ヴィーガン対応

前述の健康志向とも関連がありますが、近年増加しつつあるベジタリアンやヴィーガンの人たちの選択肢が増えるというメリットもあります。
肉料理の美味しさを体験するという目的の方もいますが、ベジタリアン・ヴィーガンの人たちが直面する問題を解決できる点もメリットとして挙げられるでしょう。
肉を食べない人と肉を食べることが好きな人が一緒に外食する際、実は店選びに困ることがあります。
肉料理が好きな人が行きたいと思うお店では、完全菜食に対応したメニューは多くはありません。一緒にテーブルを囲んで楽しく食事をしたくても、サラダや前菜などを選択するしかないということも、往々にして起こりえます。そういう時に、動物性添加物を一切含まないフェイクミートの料理があれば、食材を変えた同じ料理を一緒に食べることもできるので、より食事の時間を楽しむことができるのです。

フェイクミートの魅力 その3 環境問題・食料難への対応

フェイクミートと環境問題にどういう関係があるのか疑問を持たれる方もいるかもしれません。実は、肉を生産する段階で環境に影響を与えているのです。

肉を食材とするためには、牛や豚、鳥などの家畜を育てなければいけません。
家畜を育てる際には、多量の水が必要になります。
家畜の飲み水だけではなく、排泄物や汚れなどを洗い流すための水も必要ですし、家畜が食べる飼料の原料となる小麦やトウモロコシなどの植物を育てるためにも水をたくさん使用します。
また、水だけでなく、牛を育てるためにトウモロコシ生産の11倍の水が必要とも言われています。
これらの家畜を育てるため、そして飼料となる植物を育てるための水を多量に確保し続ける必要があることから、川や地下水が減りすぎてしまい、砂漠化や地面の陥没などの影響も実際に起きています。
一方で、家畜の排泄物を適切に処理しないことや、病気予防のための抗生物質が適切に処理されずに排出されるなど、水質汚染に直接つながる問題にもなっているのです。

また、たくさんの家畜の消化管内発酵や糞尿からの温室効果ガス(GHG)の排出は意外に多く、気候変動の原因のひとつとも考えられています。

さらに、家畜を育てるには広い土地が必要になりますが、その土地は森林を切り開いて作られます。アマゾンのジャングルなどといった未開の地域も、近年急激に面積が狭くなってきています。伐採された森林面積が広くなると、その地域の土壌の保水力が下がり、大雨などによる土砂崩れや下流の川の氾濫など、被害がより深刻になりやすくなります。

フェイクミートが「SDGs」につながる

このフェイクミートが増えることで、2015年9月の国連サミットで決められた「SDGs」 にもつながります。

例えば、目標2「飢餓をゼロに」に関係する内容としては、世界で栽培される穀物のうち約35%が家畜の飼料用とされています。この家畜飼料用として使っていた土地を人間が食べる為の食料を栽培するために転用することも可能になります。
目標6「安全な水とトイレを世界中に」や目標14「海の豊かさを守ろう」に関係する内容としては、上記で触れたような水質汚染を減らし、飲み水を確保していくことが、この問題の解決の一助となるでしょう。
目標15「陸の豊かさも守ろう」に関係する内容としては、上記で触れたような牧畜用の土地を確保するための森林伐採を無くしていくことが大切です。

欧米と比べると昔から大豆などの植物性タンパク質に慣れ親しんできた日本国内では、まだまだフェイクミートの認知度は高くありません。
いつものお肉料理をフェイクミートに置き換えた食事も、たまには満喫してみてはいかがでしょうか。

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・参考
https://www.maff.go.jp/j/jas/attach/pdf/yosan-27.pdf
https://www.jeri.or.jp/membership/pdf/research/research_1910_01.pdf

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