vol.262 サステナブル・ファッションの必要性とは?
ファッション業界の課題とサステナブルを考える

column

2022.09.26

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近ごろ、ニュースや街中のいろんな場所で目にしたり、耳にしたりする「サステナブル」。
このコラムの中でも何度もでてきています。
身近なところでは、ビニール袋の有料化や、フードロスの削減、リサイクルへの取り組みなど、さまざまな活動や考え方がサステナブルに当たります。

このサステナブルな考え方はファッション業界でも求められるようになっています。
好きな洋服を着ることで気分が上がったり、自己表現ができたりと、私たちの生活を豊かにしてくれるのがファッション。
また、ファッション業界でサステナブルを考えるときに、日本に昔からある着物の価値が見直されています。

ファッション業界にサステナブルが求められるのはどういった背景があるのでしょうか。
着物とサステナブルの 関係は。
今回は私たちになくてはならないファッション業界について考えていきましょう。

サステナブルとは

「サステナブル」英語で「sustainable」と表記され、sustain(持続する)とable(〜できる)からなる言葉。「持続可能な」「ずっと続けていける」という意味があります。
具体的には、自然環境の維持に配慮した事業や取組みなどのトピックでよく耳にする言葉であり、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標 )の中にも使われています。
サステナブルな社会とは、地球の環境を壊さず、資源も使いすぎず、未来の世代も美しい地球で平和に豊かに、ずっと生活をし続けていける社会のことです。
このSDGsをきっかけとして、「サステナブル・ファッション」という言葉がファッション業界でも広く使われるようになりました。

ファッション業界の歴史と現状

「サステナブル・ファッション」という言葉ができるということは、従来のファッション業界ではサステナブルではない課題があるからこそ。
課題の代表が大量生産、大量消費、大量廃棄から派生する環境負荷、労働環境、衣類ロス。

日本では、供給量は1990年の約20億点から2017年では約37億点に増加する一方、市場規模は約15兆円から10兆円に減少していることが窺えます。
このように国内における供給数は増加する一方で、衣服一枚あたりの価格は年々安くなっています。また、1年間で手放す平均枚数が12枚に対し、購入枚数は18枚、1年間着用されない洋服は25枚とも言われています。

欧州では、「ファストファッションの流行が、持続不可能な大量生産・大量消費・大量廃棄のサイクルの一因」と指摘をしており、2030年までにリサイクル繊維の使用を義務付け、大量に売れ残った衣料品の破棄を禁止する方向性を示しています。

それでは 、なぜ大量生産、大量消費、大量破棄が問題なのか見ていきましょう。

生産時の環境に対する負荷

アパレル業界の原材料調達から製造過程で は、以下のような点で環境に影響があります。
・天然繊維の栽培時の水消費量、化学肥料による土壌汚染
・合成繊維の石油資源の使用、CO2排出など
・紡績、染色、裁断、縫製 、輸送におけるCO2排出量が約90,000kt(服一着あたり500ml ペットボトル約255本 製造分)
・紡績、染色、裁断、縫製 、輸送における水消費量は約83億㎥(服一着あたり浴槽11杯)
・紡績、染色、裁断、縫製 、輸送における端材排出は約45,000t(服1.8億着分)

これらのように、アパレル業界の生産の過程では、二酸化炭素の 排出や水の 使用、さらには化学物質による水質汚染など様々な問題を はらんでいます。

大量の衣類ロス(廃棄)

新品やまだ着られる状態のまま捨てられる洋服のことを衣服ロス(衣類の廃棄)と呼び、これも問題の1つだとされています。
世界全体で、毎秒トラック1台分の衣服が埋め立て又は焼却処分されていると言われていて、その中でも日本における衣服ロスの量は、先進国の中でも多く、1年間で生産される洋服30億着の半数、15億着が売れ残り廃棄されているとも言われています。

服を手放す方法は3種類あり、1つ目は古着としてリサイクルすること。
2つ目は資源として回収してもらうこと。3つ目はゴミとして廃棄すること。
この3つ目の廃棄されている量が全体の68%を占めているのが現状です。ゴミとして出されると、焼却処分され、埋め立てられます。
徐々にリユース、リサイクルをしている企業、団体が増えてきているとはいえ、ゴミとして出されるのが半数以上をしめています。

このように、私たちが普段洋服をおしゃれで楽しむ反面、様々な課題があるのが現状なのです。
そういったことから、「サステナブル・ファッション」は考えなければいけないところ。
ですが、日本の着物の考えは、この「サステナブル・ファッション」だったのです。
次回は、日本の着物がなぜサステナブルなのか、見ていきましょう。

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参考
https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/
https://merci-saga.com/f/sustainablefashion
https://myethicalchoice.com/journal/sustainable/sustainable-fashion/
https://eleminist.com/article/2041

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