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卒業・入学・入社など、「年度初め」で新しいスタートの季節「春」
春というと、暖かくなってきて花が咲き、葉が芽吹く3月、4月をイメージしがち。
ですが、中医学では立春から穀雨までの2月・3月・4月を春ととらえます。冬から春になるこの時期は陰から陽へ切り替わる時期で、体のバランスを崩しやすい時期。また、この中国の養生法では、冬のうちに体の中にため込んでしまったものを排出して、リセットする時期でもあります。
この春に意識をした薬膳を摂り入れた食生活についてお伝えしていきます。
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薬膳と陰陽五行の関係性
中国では四千年も昔から、食べることで病気を予防する医食同源の考えが伝えられてきました。
「薬膳」は、古代からの知恵を食事に生かした伝統栄養食です。
薬膳料理の基には「陰陽五行説」の考えがあります。
陰陽五行と季節
「陰陽五行」とは、紀元前の中国の春秋戦国時代に生まれた自然哲学の思想のこと。
「陰陽」とは、すべての存在は相反する二つの性質を持つものの調和から成っているという考え方。
例えば太陽が陽で月が陰、男性が陽で女性が陰、表が陽で裏が陰など。
季節もこれに分けられ、春夏は「陽」、秋冬が「陰」になります。
春夏の「陽」の時には身体を冷やす陰性の食材を食べ、秋冬の「陰」の時期には身体を温める陽性の食材を食べることで、病気になりにくくなります。
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薬膳料理と「五行説」
「五行」とは、「五」が自然界にあるものを「木」「火」「土」「金」「水」の五種類の元素のことで、「行」は動く、めぐるという意味を表しています。
この分類には食材や季節、味覚、身体の働きなどの特徴や性質に応じていて、
五行や五味、五臓、季節はそれぞれ対応しています。
季節に応じて弱りかける五臟の働きを陰陽の食べ物と味付け、そして組み合わせにより補助することで、病気になりにくくなります。
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陰陽五行から見る「春」
春は、陰陽五行では木のエネルギー。木には発散・柔軟・伸びる・生長という特徴があります。
自然界では「陽気」が増加して動物が冬眠から目覚めたり、木々が芽吹いたり。人も同様に陽気が増え、新陳代謝が高まり、細胞が活性化します。
冬に貯まった余分なものを排出するデトックスの季節が春。五臓でいえば肝になります。
デトックスをする臓器でもある「肝臓」。肝臓の一番重要な働きは、血液中のさまざまな老廃物を分解して解毒し、いつでもきれいな血液が流れるように管理していること。
肝臓の働きが悪くなると自律神経の失調となってあらわれたり、むくみやイライラが起こりやすくなったりします。
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春におススメの薬膳食材は
「肝臓」をいたわる上でポイントは、
「肝」の興奮を抑える
「肝」の血を補う
ということ。
おススメの食材は次のようなものです。
① 肝臓の働きをたすけてくれるもの:ねぎ、空心菜、紫蘇、しょうが、ミント、なつめなど
② 熱を抑えてくれる:セロリ、トマト、菊花、ハマグリ、アワビ、ゴーヤなど
加えて、季節の野菜、例えば春キャベツや菜の花などは栄養価が豊富なので、ぜひこの季節に摂りたいもの。
それだけでなく、肝臓の栄養素となるたんぱく質を十分取ることも忘れないでください。
逆に、油ものや脂肪の多い食材などは、肝臓を疲れやすくしてしまうので注意しましょう。
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こよみにあわせた食材(旬のもの)には力強い生命力があり、美しく、何より美味しいです。
まごころを込めて調理するあたたかな気持ちは、食材にも食べる人にも伝わります。
日頃から、旬の食材を栄養価を損ねないように調理し食卓に並べる事を心がけ、体に良いからといって一つの物をたくさん食べたりせず、多品目の物を腹八分目食べることが大切です。
いのちをつくる日々のごはんによって、楽しく幸せな日々が送れますように。
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