vol.036 良質な睡眠で生活に最高のパフォーマンスを<後編>

column

2020.10.13

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先日、睡眠負債になっていませんか?というお話をしました。
現に世界保健機関(WHO)でも、睡眠不足は先進国の流行病だと宣言もだされているほど実は深刻な問題の一つでもあります。

睡眠不足の方の多くが「寝不足が続いているから休日に寝だめをしよう」と思いがちですが、寝だめでは、睡眠負債は解消できません。
休日に長時間寝てしまうと生活のリズムが乱れ、翌週の睡眠に悪影響を及ぼすことになります。
大切なのは、「安定した睡眠時間」と「質の良い睡眠」です。

とはいえ、「睡眠が大切なのはわかっているけど、具体的にどうしたらいいの?」という方に、「睡眠」について正しく知り、「快眠」するためのポイントをご紹介します。

睡眠で大切な「眠り始めの90分」!

睡眠には、体と脳を休める・記憶を整理して定着させる・成長ホルモンを分泌させる・免疫力を上げる・嫌な記憶を消して脳の老廃物を取り除くなど、さまざまな効果があります。

眠りのサイクル

眠りは、まずノンレム睡眠(深い眠り)から始まり、一気に深い眠りに入ります。
眠りについてから1時間ほどたつと、徐々にレム睡眠(浅い眠り)へと移行します。
その後、またノンレム睡眠に移行して深い眠りに入った後、眠りが浅くなってレム睡眠に移行します。
このような約90分の周期が、一晩に3~5回繰り返されます。
そして、繰り返していくうちに、朝に近づくにつれて徐々にノンレム睡眠の時間が短く、そして浅くなっていきます。
逆にレム睡眠は朝が近づくにつれ、長く現れるようになります。

睡眠時間の2割は「レム睡眠」、8割は「ノンレム睡眠」です。脳はそれだけ休息を必要としています。

サイクルの中で一番大切なのが、「最初の90分」

質の良い睡眠にするために、一番大切なのが、眠り始めの90分が大切です。
というのも、理由は2つ。
1つ目は、グロースホルモン(成長ホルモン)の分泌が一番多いこと。
睡眠時は細胞の代謝を促すグロースホルモンが分泌されます。
その約80%が最初の90分で分泌されるそう。
筋肉や骨が強くなったり、肌の生まれ変わりも促してくれたりします。

そして、2つ目が、短い睡眠でも目覚めがよくなるということ。
最初の90分をできる限り深く眠ることで、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが正しいリズムで続き、短時間でも眠気やだるさが残りにくく、朝もすっきりと起きられます。

この最初の90分という時間に深くしっかり眠ることで体も脳も最高の状態になり、仕事や家事がはかどったり、健康や美容にも良い結果をもたらされるのです。

質の良い睡眠のためにおススメなこと

質の良い睡眠のための9項目です。

① 起床後すぐ太陽の光を浴びて、体内時計をリセットする。
② 朝起きたら手を冷やし、活動スイッチを入れる。
③ 眠くなったら昼寝をする
④ 昼~夕方に散歩、または軽い運動をする。
⑤ 夕食は寝る3時間前までに食べる。
⑥ 寝る前の90分前後に入浴する。(すぐに寝る場合はぬるめの入浴にする)
⑦ 寝室の照明を落とし、快適な室温に保つ。
⑧ 寝る前に飲酒・喫煙をしない。カフェインを摂らない。
⑨ 寝る前のスマホの使用を避け、考えごとをしない。

どれも当たり前のようですが、意外と皆さん無頓着です。
これらについて特に意識をしたいことが、体内時計と体温調整、睡眠の環境です。

体内時計を調整して良質な睡眠を

人間には体内時計があり、それが1日の24時間とずれているため睡眠にも影響が出るといわれています。
体内時計は、最新の研究では24時間11分と発表されています。
たかが11分と思うかもしれませんが、放っておくと1週間で1時間以上、1カ月にすると4時間以上もずれてしまうことになります。
これをリセットして24時間と合わせることで、生活のリズムが生まれます。
そして夜になったらメラトニンという睡眠をうながすホルモンが分泌されるため、質のいい睡眠も可能になります。
体内時計をリセットするのに有効なのは、まず朝起きたときに太陽の光を浴びることがおススメです。

体温調整をして良質な睡眠を

人は眠るときに手足から熱を逃し、体の内部の温度(深部体温)を下げて脳や臓器、筋肉を休ませます。これによって眠気が強くなり深く眠れるようになります。
そのために、日中に体を動かすことやお風呂の活用があります。
日中に体を動かすことで、深部体温が上がると、その反動で夜に向けて体温が下がりやすくなります。

また、寝る前の入浴では、約40度の湯舟に15分つかると、深部体温は0.5度上がると言われています。
リラックス効果が得られるだけでなく、高くなった体温を放熱しようと血管が開くことで、副交感神経が優位になります。
上がった深部体温は90分かけてもとに戻っていくので、そのときに眠りが促進されます。

また、質のよい睡眠のためには、体を温める食事を選びましょう。
例えば唐辛子に含まれているカプサイシンには、体温を上げた後に下げる作用がありますから、そういった食材を選ぶといいでしょう。
食事は床に就く3時間以上前にすませ、胃腸を休めてから寝るのが理想的です。

環境を整えて良質な睡眠を

寝ている間でも人間の聴覚中枢や視覚中枢は働き続けていて、脳は反応しています。
ですから電気がつけっぱなしとか、周囲の物音、特に放送も含め人の声が聞こえる状態では、睡眠不足ならそのまま寝られるでしょうけど睡眠は浅くなります。

スマートフォンを見ながら寝てしまうということを耳にしますが、ブルーライトも交感神経を優位にしてしまいます。
そうすると睡眠が浅くなりがちなので、寝る前にスマートフォンをいじるのをやめることがおすすめです。

また、夏にクーラー をつけたままだと体によくない、と言いますが、あれは嘘です。
風が直接当たるのは、皮膚温度が下がるのでよくないですが、日本の真夏は夜でも室温が30度近くなる日もあるし、湿度も高い。
蒸し暑くて眠れないとか、真冬に布団被っても寒いような環境で、深くて質の良い睡眠はとれなくなります。
夏ならだいたい26度以下、冬なら20〜22度前後に保つように、クーラーや、空気を汚さない暖房器具をつけておくのも1つの方法です。

質のいい睡眠をサポートするアイテム

睡眠の質を高めるためには、寝具なども重要なポイントです。
例えば自分の体格に合った枕を選ぶことで、安眠を得られることも多いのです。
頭頂部が高すぎると首が落ち込んでしまうため、肩こりやいびきを引き起こすことがあります。
顎が上がってしまう状態だと、いびきや口呼吸の原因になることもあります。
寝具メーカーが実際に計測して、個人個人に合った高さの枕を提供してくれるお店も増えていますから、試してみるのも一つの手です。

好きな香りのアロマでほっとする空間を作るということも。
「ほっ」とする「オフ」の時間がなければ、翌日いい気分でイキイキと過ごすことができません。
自分がリラックスしているシーンを想像しながら、「ほっ」とする空間の定位置を作ってみましょう。

今日の安眠、明日の仕事のために、ベッドの周りを「ほっ」とスペースにするのもおすすめです。
すべてを行う必要はありませんが、ぜひ、翌日の生活のパフォーマンスを最高のものにするために今晩から良質な睡眠をとりましょう。

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東京医科大学
http://www.tmu-ph.ac/recovery/01.php
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
スタンフォード式 最高の睡眠 西野精治著

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