
環境問題、特にごみ問題・ごみ減量のための「3R」をご存知ですか?
Reduce(減量)、Reuse(再利用)、Recycle(再生利用)の頭文字を合わせたものです。日本では小学生の教科書にも載っているので、聞いたことがあったり、覚えている方も多いでしょう。
近年はこれにRefuse(拒否)、Repair(修理)が追加された「5R」が提唱されるようになってきました。国、地域や業界団体によっては独自のRが追加されており、6R、7R…などと言われる場合もあります。
ごみ問題については以前から言われてきましたが、今なぜ改めて注目されているのでしょうか?
それにはSDGs(Sustainable Development Goals)とのかかわりが大きいと言えます。SDGsは2015年の国連サミットで採択され、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
世界が大きく動き始めた今、私たちにできることは何でしょうか?これは国や地域といった単位ばかりの問題ではありません。私たち一人ひとりが意識し、取り組んでいかなければならない問題です。ごみ問題の現状や、5Rを始めとする取り組みを紹介します。

日本のごみ問題の現状
かつて江戸時代の日本では、完全な循環社会が実現されていたと言われます。割れた食器の継ぎ目を合わせたり、溶け残ったロウソクを回収してリサイクルロウソクを作ったり、お米を収穫した後に残ったワラで草鞋(わらじ)や編み笠を作ったり…といった次第です。
しかし明治維新以降、日本ではごみ問題が顕在化していきました。埋立地の不足、焼却によるCO2排出。現在、収集されたごみは8割が焼却処分されており、リサイクルされるものはわずか2割にも達しません。
焼却されるごみのうち4割は生ごみで、その3割はまだ食べられるのに捨てられてしまったものや、食べ残しなどの食品ロスに当たります。
環境を考える5Rとは?
5Rとは、ごみ問題に向き合うための取り組みです。
Rで始まる5つの言葉を並べることで、個々人が分かりやすく、親しみを持ってエコ活動を実践することができます。それぞれの言葉の意味を説明しましょう。
Reduce(減らす、減量する)
包装を減らす、使い捨てのものではなく繰り返し使えるものを選ぶ、などのアクションです。生ごみの水分を切ったり、最後まで使い切るのも、基本的なことですが大事なアクションです。
買い物へ行く前に冷蔵庫の中身をチェックしたり、シーズンで一度しか使わないものは買わない、というようなアクションです。

Reuse(再利用する)
今あるものをまだ使う、という考え方です。新しいものが発売されたらすぐに乗り換えるのではなく、今使っているものは使えなくなるまで使いましょう。フリーマーケットを利用したり、中古品を買うのもReuseの方法です。
シャンプーや洗剤などで、詰め替えを選ぶのもひとつのアクションになります。詰め替えがあるかどうか、こういったことも、製品を選ぶときのひとつの基準に加えてみましょう。
Recycle(再生利用する)
資源として回収してもらい、形を変えて別の材料となって生まれ変わる、という考え方です。古紙でできた製品を利用したり、ペットボトルなど資源回収に協力するアクションです。

Refuse(拒否する、断る)
Refuseはごみになるものを拒否する、断る、というアクションです。エコバッグを持ち歩いてビニール袋を断ったり、チラシやフリーペーパー、サンプルを断ることなども含まれます。

Repair(修理する)
壊れたものをすぐに捨てずに、修理して使い続けよう、という考え方です。修理できるかどうか?という観点で製品を選んだり、破れた服を繕ったり、リペアサービスを利用するアクションです。
他にもある地球の環境にやさしいR
今紹介した5Rのほかにも、世界に目を向けてみると、いくつものRが提唱されています。
「Rot(生ごみのコンポスト)」はアメリカのサンフランシスコなどで取り入れられているRで、生ごみを分別して収集するというもの。分別収集された生ごみは、コンポスト(たい肥)としてリサイクルされます。
リサイクルの基本的なアクション「Refine(分別する)」。ごみとして処理する前に、資源として使えるものを分別しましょう。
1回しか使わないものは買わずに借りることで、ごみを減らすことができる「Rental(借りる)」。
ビールの空きびんを返却して返金してもらう、携帯電話や家電製品を買う時に下取りしてもらうなどのアクションをさす「Return(返却する)」。
さらには、少し歩けばいたるところにコンビニエンスストアがあり、スマホからワンタップで物が買えてしまう現在ですが、本当に必要なものかどうか?よく考えようという「Rethink(再考する)」。他のもので代用できないか、1回しか使わないのではないか?あらかじめよく考えて買い物をすることが大切です。
復元する・元に戻すことを差す「Restore」。ごみを拾うボランティアや、植林活動に参加し、自然を回復させることです。家庭でもグリーンカーテンを作ることで緑化・省エネに取り組むことができます。こうした活動に募金したり、支援することもよいアクションの一つです。

地球のためにできることからはじめよう
スウェーデンでは、家庭ごみの99%が再利用されています。江戸時代の日本では可能だったことが、現在の日本では不可能と言うことがあるでしょうか。一人一人が心がけることで、きっと大きなことを成し遂げられるはずです。未来の地球のために、今日から5Rを意識した日々を送ってみてください。

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