vol.663 汗のニオイはなぜ違う?
原因別に知っておきたい特徴とセルフケアのポイント

column

2026.07.24

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「最近、自分の汗のニオイが気になるようになった。」
「制汗剤を使っているのに、時間が経つとニオイが戻ってしまう。」
そんな経験はありませんか?
実は、一口に「汗のニオイ」といっても、すべて同じ原因で起こるわけではありません。汗をかく部位や皮膚の環境、生活習慣などによって、ニオイの特徴は変わると考えられています。
そのため、自分の汗の特徴を知ることは、毎日のケアを見直すきっかけにもなります。
今回は、汗のニオイの種類や原因、毎日の生活で取り入れやすい対策についてご紹介します。

汗のニオイはなぜ発生する?

「汗=ニオイ」と思われがちですが、実際には汗そのものはほとんど無臭です。
汗の約99%は水分で構成されており、かいた直後はほとんどニオイを感じません。
ニオイが発生する主な理由の一つは、汗や皮脂を皮膚の常在菌が分解することです。この過程でニオイ成分が生じるため、時間が経つほど気になりやすくなることがあります。
また、汗を分泌する汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
エクリン汗腺は全身にあり、体温調節を目的としてサラサラした汗を分泌します。一方、アポクリン汗腺は脇やデリケートゾーンなど限られた部位に多く、脂質やたんぱく質を含む汗を分泌するため、ニオイにつながりやすい特徴があります。

あなたの汗はどのタイプ?ニオイの特徴をチェック

「汗臭い」と感じても、そのニオイにはいくつかの特徴があります。

酸っぱいようなニオイ

運動をした後や長時間汗をかいた後に感じやすいニオイです。
汗をかいたままにすると、皮膚に存在する常在菌が汗や皮脂を分解し、ニオイが発生しやすくなることがあります。また、衣類の中が蒸れることも影響すると考えられています。

ツンとした刺激を感じるニオイ

疲労が蓄積しているときや生活リズムが乱れているときに、「いつもと違う」と感じる人がいます。
毎日を忙しく過ごし、睡眠不足や自覚のない疲れが溜まっているときに起こりやすいのがこの「疲労臭」です。
食生活や睡眠不足、ストレスなど、さまざまな要因が関係している可能性があり、一つの原因だけで説明できるものではありません。

ストレスによるニオイ

大切なプレゼンや家事の合間のイライラなど、心にプレッシャーがかかったときに発生するのが「ストレス臭」です。 過度な緊張状態になると、自律神経が刺激され、皮膚から硫黄化合物などのニオイ成分が放出される可能性が示されており、ネギや玉ねぎに似たニオイとして感じられることがあると報告されています。年齢に関わらず、緊張感の高いライフスタイルを送っている人に多く見られます。

大人のニオイ

年齢を重ねるにつれて、ホルモンバランスや皮脂の分泌バランスが少しずつ変化していきます。
年齢とともに皮脂の成分バランスが変化し、皮脂が酸化することで「ノネナール」と呼ばれるニオイ成分が生じやすくなると考えられています。これは胸元や背中、耳の後ろ、頭皮など、皮脂腺が多く集まる場所から発生しやすいのが特徴です。

ニオイ別に意識したいセルフケア

汗のニオイは原因によって特徴が異なるため、気になるニオイに合わせて日頃のケアを見直すことが大切です。

酸っぱいようなニオイが気になる場合

汗が常在菌によって分解され、ニオイに変わるまでには少し時間がかかります。そのため、汗をかいたら「時間が経つ前に拭き取る」のが鉄則です。 このとき、乾いたハンカチだけでは水分は拭き取れても、皮脂などが肌に残りやすいことがあります。固く絞った濡れタオルや、肌への負担が少ない汗拭きシートを使い、押さえるように優しく拭き取るのがおすすめです。
また、入浴時はゴシゴシと力任せに擦らず、たっぷりの泡で優しくなでるように洗うことで、肌のバリア機能を守りながら余分な皮脂や汚れを落とすことができます。

疲労臭が気になる場合

疲労臭は、睡眠不足や過度な疲労、生活リズムの乱れなどが重なったときに気になりやすいと考えられています。
疲れが溜まっていると感じるときは、何よりも体を休めることが最優先です。夜はシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、全身のめぐりがスムーズになり、心身をリラックスさせる時間にもつながります。
また、日頃から規則正しい生活を心がけ、食事ではクエン酸を含む梅干しやレモン、お酢などや、しじみなどを取り入れながら、栄養バランスを意識した食生活を心掛けましょう。

ストレス臭が気になる場合

ストレス臭は、緊張や精神的な負担が続いたときに気になりやすいといわれています。
忙しい毎日の中でも、深呼吸をする時間をつくったり、軽いストレッチや散歩を取り入れたりすることで、気分をリフレッシュしやすくなります。
また、入浴で湯船につかる時間を設けたり、好きな音楽を聴いたりするなど、自分なりのリラックス方法を持つことも大切です。
お気に入りのハーブティー(ルイボスやカモミールなど)を飲む、心地よいと感じるアロマ(ラベンダーや柑橘系など)の香りを嗅ぐといった、五感をリラックスさせるアプローチは、張り詰めた心身を和らげるのに役立ちます。
ストレスを完全になくすことは難しくても、上手に付き合う工夫を取り入れることが、心身の健康維持につながります。

大人のニオイが気になる場合

年齢とともに変化する体臭は、皮脂の分泌や肌環境の変化など、さまざまな要因が関係していると考えられています。
そのため、毎日の入浴で皮脂や汗をやさしく洗い流し、頭皮や耳の後ろ、首筋、背中など皮脂が多い部分も丁寧にケアすることを意識しましょう。
また、毎日の食生活では、ビタミンCやビタミンEを含む食品(緑黄色野菜、アボカド、キウイ、ナッツ類など)を取り入れることも、健康的な食習慣づくりの一つです。
脂質に偏りすぎない食生活や適度な運動は、健やかな体づくりをサポートする生活習慣が大切です。
さらに、衣類や寝具は汗や皮脂が付着しやすいため、こまめに洗濯し、清潔な状態を保つことも快適に過ごすためのポイントです。

汗のニオイ対策は、一時的に強い香りでごまかすのではなく、「今の自分の状態はどうかな?」と原因に目を向けることが、心地よい毎日への第一歩です。
汗をかくこと自体は、体温調節や健康維持のために欠かせない大切な身体機能。ニオイを無理に隠そうとするのではなく、ライフスタイルや食習慣、日頃のスキンケアを少しずつ見直すことで、巡りの良いすこやかな体と肌の環境を育んでいきましょう。

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