vol.464 SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」解決に向けて。
世界の取り組みと私たちができること

column

2024.10.18

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今、世界中で気候変動の問題は大きくなっています。

世界で起こる気候変動は、世界だけの問題ではなく、私たちの生活に多大な影響を与えています。
例えば、日本では豪雨の増加や台風の大型化、猛暑日の増加などが分かりやすいでしょう。

前回、この気候変動を解決するための持続可能な開発目標(SDGs)の目標13「気候変動に具体的な対策を」の基本と世界の状況をみてきました。
今回は、日本の状況や世界で始まっている取り組みなどを見ていきましょう。
私たちの生活に密接に関わっているので、ぜひ、普段の生活もみなおしていくきっかけにしてください。

日本の気候変動の現状

日本でも、気候変動はさまざまな形で現れています。

まず、平均気温の上昇が顕著で、特に夏季の猛暑日や熱帯夜の頻度が増加しています。また、冬季の暖冬傾向も見られます。

降水量の変化も大きな問題です。近年、大雨や短時間強雨の発生頻度が増加しており、洪水や土砂災害のリスクが高まっています。
例えば、1日の降水量が200ミリ以上の大雨を観測した日数は、1901年以降の統計期間において増加傾向にあり、約1.7倍に増加しています。
その一方で、積雪量は減少傾向にあり、特に日本海側の地域で顕著です。

海洋環境にも影響が出ています。日本近海の平均海面水温は世界平均の2倍の速さで上昇しており、これが海洋生態系や漁業に影響を及ぼしています。また、海面水位も上昇しており、沿岸部の浸水リスクが増加しています。

これらの変化は、農業や漁業、観光業など、日本の経済や生活に直接的な影響を与えています。例えば、農作物の生育に影響を及ぼし、収穫量の減少や品質の低下を招いています。また、漁業資源の変動も漁業者にとって大きな課題となっています。

このような現状を踏まえ、日本政府や自治体、企業、個人が協力して気候変動対策を進めることが求められています。

目標13「気候変動に具体的な対策を」に対する世界の取り組み

世界では、この問題を解決するために、様々な取り組みがスタートしています。

① パリ協定

パリ協定は、2015年にフランスのパリで採択された国際的な気候変動対策の枠組みです。各国が温室効果ガスの排出削減目標を設定し、地球の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃未満に抑えることを目指しています。

② ドイツ

ドイツは「エネルギー転換(Energiewende)」政策を通じて、再生可能エネルギーの利用を大幅に拡大しています。2020年には、ドイツの電力の約46%が再生可能エネルギーから供給されました。

③ デンマーク

コペンハーゲン南部では、100%再生可能エネルギーを使用した「UN17village」という持続可能な村を建設しています。ここでは雨水や建設資材のリサイクルも行われています。

④ スウェーデン

ベクショー市は2030年までに化石燃料使用をゼロにする目標を掲げ、森林資源を活用したバイオマスエネルギーへの転換を進めています。ハンマルビー・ショースタッド地区では、ごみや生活排水を分別し、バイオマスエネルギーとして暖房や発電、公共交通の燃料に利用しています。

目標13「気候変動に具体的な対策を」に対する日本の取り組み

日本政府は、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しています。これに向けて、温室効果ガスの排出削減や再生可能エネルギーの導入を推進しています。具体的には、地球温暖化対策推進法に基づき、2030年までに温室効果ガス排出量を 2013年比で46%削減する目標を掲げています。
また、グリーン成長戦略を策定し、経済と環境の好循環を目指す産業政策を推進しています。

東京都の取り組み

東京都は「ゼロエミッション東京戦略」を掲げ、2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減することを目指しています。

京都市の取り組み

京都市は「京都市地球温暖化対策条例」を制定し、再生可能エネルギーの利用拡大や省エネ対策を強化しています。

北海道の取り組み

北海道では、農業分野での気候変動適応策として、耐寒性の高い作物の導入や栽培技術の改良が進められています。


これらの取り組みは、国と地方が一体となって気候変動に立ち向かうための重要なステップです。引き続き、各地域の特性に応じた対策を進めることが求められています。

私たち個人ができることは

目標13を達成するために、私たち自身ができることもあります。
例えば、使用していない電化製品のコンセントを抜く、不要な照明や冷暖房を消す、可能な場合は公共交通機関を利用する、近距離の移動は徒歩や自転車を活用する、使い捨て製品の使用を減らす、食品ロスを減らすなど。

こういった小さな行動を日常生活に取り入れることで、個人レベルでも気候変動対策に貢献することができます。

私たちができるのは、まず関心を持って情報を知ること、そして私たちが得られる情報を提供すること。さらには、日常の行動を少しずつ変えていくことです。
小さなことでも積み重ねていくことで気候変動を緩和していくことにつながります。
自分だけが、こんな些細なことで、と考えず、まずは一人ひとりができることを始めていきましょう。

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参考
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/domestic.html
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/domestic.html
https://adaptation-platform.nies.go.jp/climate_change_adapt/qa/02.html
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/road-to-carbon-neutral/
https://sdgs-compass.jp/column/1978
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240902/k10014569601000.html
https://sdgs.city.sagamihara.kanagawa.jp/sdgs-17goal/13_climate-action/
https://www.asahi.com/sdgs/article/14727244
https://www.kyowakirin.co.jp/stories/20230529-01/index.html
https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/climate_action_sdgs/
https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/climate_action_sdgs/7182/
https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/climate_action_sdgs/8748/

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