vol.357 動物にも人体にも優しい「グラスフェッド」。
食の多様化で注目されているその背景は

column

2023.07.31

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数年前から目にする機会が増えてきた「グラスフェッド」。
食生活の多様化が進む中で食生活の選択肢として注目されています。
とくにヘルスコンシャスやアニマルウェルフェアを意識する人々の中で話題になっています。

グラスフェッドとは日本語で「牧草飼育」と訳され、牧草のみを餌として家畜を飼育する方法。
しかし、何が良いのかわからないという人もいるかもしれません。
今回はグラスフェッドの概要やメリット、環境への影響について見ていきましょう。

グラスフェッドとは。その特徴

グラスフェッド(Grass-fed)とは、家畜が牧草で育てられる食品生産方法のことを指します。一般的に、牛や羊などの反芻動物が天然の牧草や草地で自由に放牧され、自然な餌で育つことを意味します。

グラスフェッドの食品生産方法では、家畜は伝統的な牧草地で育ちます。これは牧草地に直接放牧されるか、場合によっては牧草が刈り取られて餌として与えられます。家畜は天然の餌を摂取し、自然な成長サイクルを経験します。
グラスフェッドの家畜は穀物や飼料を与えられることはなく、天然の餌だけを摂取することで、より自然な生育環境で生活している状態なのです。

グラスフェッドとグレインフェッドの違い

牛や豚など家畜を飼育する方法は、主に2種類あります。
1つ目は、今日本で主流の穀物を飼料として畜舎で飼育する「グレインフェッド(grain-fed)」。
もう1つは、放牧を基本として牧草や干し草を飼料とする牧草飼育「グラスフェッド(grass-fed)」です。

グラスフェッドの飼育方法は、牛肉の輸出大国であるニュージーランド、オーストラリア、南米などで盛んになりつつあり、グレインフェッドと共に活用されています。

それぞれの飼育の違いについてまとめると、以下のようになります。

【グラスフェッド】
餌:牧草、ほし草  飼育場所:放牧  運動量:多い  牛肉の質:赤身が多い
【グレインフェッド】
餌:トウモロコシなどの穀物  飼育場所:畜舎  運動量:少ない 牛肉の質:脂身が多い

このように牧草を食べるために広野を動き回るグラスフェッド と、畜舎で与えられたエサを食べるグレインフェッドでは運動量にも大きな差があります。
人工的に配合された穀物は、高エネルギーで栄養バランスが良くて短期間で牛を大きく育てるのに向いています。そして、あえて運動をさせないようにして脂肪をつかせ、高級な霜降り肉にしているので、肉質にも違いが見られるのです。

グラスフェッドが注目を集める理由

ヘルスコンシャスの観点

グラスフェッドは人工的な飼料 ・成長ホルモン剤・抗生物質を使いません。そのため、「飼育された過程」や「口に入れるもの」を重視したい人の価値観に合います。

野菜の生産者の顔を見たい、オーガニックの野菜を選びたいと考えるのと同じように、牛がどのような環境で育ったのかを重視したいと考える人が増えています。

アニマルウェルフェアの観点

アニマルウェルフェアとは、動物福祉・家畜福祉と訳され、家畜に死を迎えるまでの間、出来る限りストレスを減らし、本来の健康的な生活をさせる飼育方法を目指す考え方のこと。
アニマルウェルフェアの観点では、家畜にとって苦痛の少ない方法を選択するべきということで、放牧され、好きな時に好きな草を食べて育っているグラスフェッドの飼育方法は注目を集めています。

いかがでしょうか?
グラスフェッドの特徴が分かりましたでしょうか?
まだまだ近くのスーパーでグラスフェッドを大々的に取り入れているところは少ないことでしょう。
ですが、日本でも徐々にグラスフェッドで育成をしている農場が出てきています。
そして、そうして育った畜産からできたお肉や乳、バターなど様々なものが生まれて行っています。
グラスフェッドという新たな飼育方法を知って、人にも動物にも良い選択をしましょう。

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