
テレビや雑誌などでも取り上げられるようになった「SDGs(持続可能な開発目標)」ですが、何となく理解はしていても、具体的に分からない人もいることでしょう。
今回は、その中でもSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の内容について取り上げます。
教育は誰もが平等かつ公平に受けられる基本的人権。
しかし世界にはそのような教育を受けられない、また教育を受けられても質が低い、そんな国や地域が存在します。
世界の教育について、今どういう状況のか、詳しくみていきましょう。

SDGsとは?
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」を指します。
SDGsは社会課題を大きくまとめた17のグローバル目標と、その17の目標をさらに具体的にした169のターゲットで構成されていて、その内容は貧困や飢餓、保健やジェンダーなど様々な課題について取り上げられています。
このSDGs は、2015年に行われた国連サミットにてスタートし、2030年までに達成すべく、全世界で動いています。
SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」とは
SDGsの17のグローバル目標の4番目に、「質の高い教育をみんなに」が掲げられています。
この目標の「質の高い教育をみんなに」は、すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進することを目指しています。
質の高い教育は、世界が抱える数多くの問題を解決することができます。
持続可能な生活の維持能力を与え、貧困の連鎖を断ち切ります。そして、不平等の是正やジェンダーの平等などの達成にも貢献します。つまり、教育はSDGsの目標達成において必要不可欠な要素だといえるでしょう。
質の高い教育がもたらすもの
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が2012年に立ち上げたGEFI(グローバル・エデュケーション・ファースト・イニシアチブ)では、以下のように教えてくれています。
“もし、低所得国のすべての学生たちが基礎的な読解力を身につけて学校を卒業できれば、1億7,100万人 が貧困から抜け出すことができるでしょう。
もし、低所得国のすべての母親が中等教育を受けていれば、1,200万人の子どもたちが発育阻害から救い出せます。
もし、すべての女性が中等教育を受けていれば、子どもの死亡は49%減少します。
もし、すべての女性が初等教育を終了していれば、出産における 死亡は66%減少します。
もし、すべての女児が中等教育を受けていれば、児童婚の64%が減少し、早すぎる妊娠の59%が減少します。
一年間の学校教育は収入の10%増加に関連します。“
すべての子どもたちに教育を受ける機会を与えることが、環境問題、貧困問題 の解決、そして国や世界経済の発展につながるのです。

世界の教育に対する現状は
世界では、貧困、病気、戦争、とさまざまな理由から教育を受けられない人たちが多く、サハラ以南のアフリカ地域の子どもたちは小学校に通うチャンスも少ないのが現状です。
小学校に通えない子どもは約6700万人、15歳以上で読み書きができない人は、約7億8000万人 (世界の15歳以上の6人に1人)いると言われています。
文字が読めないことにより、生活に必要な情報を得ることができず、誤って危険な薬品を摂取してしまったり、また教育を受けられないことで安定した職に就く機会が得られず、収入も限られ、負の連鎖から抜け出せないといったことが頻発しています。
逆に教育を受けることは、子どもたちが未来への希望をつなぐことになります。教育を受けることが、その貧しさから抜け出し、安定した収入のある仕事につくチャンスにつながるのです。
特に世界では、女の子が教育を受けられる機会が少ないケースがあります。
女性が教育を受けることで、自分のいのち、子どものいのちを守れるようになるでしょう!
教育の普及を阻んでいる理由
ではなぜ世界の子ども達は十分な教育を受けられないのでしょうか。
教育を受けられない子どもたちは「受けたくても受けられない」状況にあることが見て取れます。
その理由をみていきましょう。

学校が遠くて通えない
学校が近くに無い、遠すぎることで学校に通えないことが理由の1つです。
2000年以降、14の国で小学校の授業料が無料化され、生徒数が増えました。
しかし、増えた生徒数に勉強を教えられるだけの学校が未だ不足しています。
特に貧困地域では、学校が近くに無いために過酷な状況下で学校に通う子供もいます。
先生が足りない
学校があっても先生が足りなくて授業を受けられないということがあります。
教師として子どもたちに教育できる大人が、十分な知識を持っているとは限りません。
東南アジアの多くの国々では、中等教育の卒業者で教職課程を第一志望にする人があまりいないということがあります。これは勤務条件が悪く、教員は身分が低いと思われているため、優秀な人材は教職を志望しないという話もあります。
学校に通うお金がない
日々、生きていくことで精一杯の中、学校に通うお金のない子どもたちが大勢います。貧困家庭の子どもや孤児は、学費を払えず、学用品を買うお金がありません。また、両親が仕事をしている間、上の兄弟は幼い弟、妹の面倒をみなくてはいけない現状もあります。
他にも上記に付随して、健康の問題や性別の不平等、戦争の影響、教育の必要性が理解されていないことなど、様々な問題が複雑に絡んでいるのが現状なのです。
未来を担う人材育成のための教育環境を整えるという根本的な理解が広がらず、教育の普及を妨げていると考えられます。

いかがでしょうか。
日本では当たり前に通える学校。ですが、世界では当たり前ではありません。
教育を受けたくても受けられない子どもがたくさんいます。
そして、教育を受けられないことで、貧困から抜け出せないでいる状態があるのです。
今回は世界の状況を見てきましたが、次回は日本の教育の現状と、世界で行われている取り組みを知っていきましょう。

※1:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(毛髪保護成分)をシャンプーに配合
※2:ステアリン酸エチルヘキシル(毛髪保護成分)をマスクに配合
参考
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/4-education/
https://sdgs-support.or.jp/journal/goal_04/#:~:text=4.2-,2030%20%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AB%E3%80%81%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%8C%E7%94%B7%E5%A5%B3%E3%81%AE,%E3%81%8C%E6%95%B4%E3%81%86%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82&text=2030%20%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AB%E3%80%81%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%80%85%E3%81%8C%E7%94%B7%E5%A5%B3%E3%81%AE,%E5%BE%97%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82
https://www.unesco.or.jp/activities/terakoya/
https://www.iueo.or.jp/post/%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%8C%E4%B8%AD%E7%AD%89%E6%95%99%E8%82%B2%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%80%81%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E3%81%AF49-%E6%B8%9B%E5%B0%91%E3%81%99%E3%82%8B-sdgs-no-4-%E8%B3%AA%E3%81%AE%E9%AB%98%E3%81%84%E6%95%99%E8%82%B2%E3%82%92%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AB
https://ethicame.com/shop/information/SDGs04#link04
https://www.womenshealthmag.com/jp/wellness/a35329787/sdgs-vol4-20210205/
https://benesse.jp/sdgs/target4/
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