テレビや新聞・電車などで目にする機会が増え、ほとんどの方が一度は聞いたことがあるであろうSDGs。
SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、
2015年9月、ニューヨーク 国連本部にて開かれた国際サミットで加盟国首脳の全会一致で採択されたのがこの目標。
17のゴール・169のターゲットが掲げられており、
その1番目にくるのが「貧困をなくそう(“NO POVERTY”)」という目標。
もしかすると、アフリカや中東など遠い外国の話だと考えた方はいませんか?
実は貧困の問題は海外に限った話ではありません。私たちが住む日本も深刻で、例外ではないことをご存じでしょうか。
今回は、SDGsの1番目の目標の「貧困」について学び、考えてみましょう。
SDGsの1番目「貧困をなくそう」とは?
このSDGsの1番目の目標は、貧しい人をなくすための目標です。そして、その範囲は、途上国の絶対的貧困の撲滅に留まらず、先進国における相対的貧困の撲滅も含まれています。
全世界を見てみると、現在も多くの人々が貧しい生活を強いられている状況です。
貧困の定義とは?
SDGsが定義づけている貧困は、世界銀行で決定された国際貧困ラインを基準にしています。
SDGsが定められた当初は1.25ドルでしたが、2015年10月に現在の1.9ドルまで引き上げられました。
1.9ドルは、1ドル110円として計算すると約209円。
SDGsの定義では「日本では1日209円未満で生活している人」が極度の貧困だと考えられているということ。
209円で、毎日の生活を想像してみるといかがでしょうか?
国による物価の違いなどもありますが、多少イメージできるのではないでしょうか。
金銭的な問題に加えて、
・医療や学校などの基本的サービスを受けられていない
・災害による不利益を受けている
・教育を受けられずにいる
・ジェンダー差別によって平等な権利を得られない
なども含まれます。
なぜSDGsの目標に貧困が含まれるのか
この極度の貧困状態で暮らしている人は世界に7憶9000万人以上とも言われています。
日本人の総人口は、2022年7月は1億2482万人とされているので、その6倍以上の方が世界で貧困に当たるとされています。
十分な食事ができなくて常に空腹状態、きれいな水を手に入れることができない、トイレがなく不衛生な環境、教育を受けられない、医療が受けられない…国の経済が成長しても、何世代にもわたる貧困から抜け出せない人々も多くいるのが現状です。
この、貧困の問題がどれだけの規模なのか、なぜ、SDGsで環境問題と並んで取り上げられるのか、実感が沸いたのではないでしょうか?
持続可能な社会のために、経済、社会、環境どれにとっても、貧困を撲滅し、その後自らの力で生活を成り立たせられるようにしていくことは必要不可欠なのです。
では、具体的にどのようなことを目指すのかというと、
・2030年までに、極度の貧困にある人を世界中から終わらせる
・さまざまな次元で貧困ラインを下回っている人の割合を半減させる
の2つです。
なぜ貧困が起こるのか?
目標を達成するために、なぜ、貧困が起こるのかを知りましょう。
貧困の主な理由としては、政治や経済の影響。特に南アフリカは植民地の歴史があり、人種隔離政策や奴隷制度による影響が根強く残っているのが特徴です。貧困地域は、子供たちの教育もままならないため、なかなか経済の発展も遅れが見えています。
その次が、戦争や紛争、宗教問題。
紛争によって住む場所や職を失い難民となる人たちも少なくありません。紛争は国の経済へも大きなダメージを与えるため貧困を生み出しやすい、また経済発展しにくい環境になってしまいます。
大きな災害も貧困の引き金です。世界銀行によると、自然災害によって、年間2600万人が貧困状態に陥っています。
例えば、サハラ以南アフリカでは、干ばつによって作物の収穫量が減少し、水不足により感染症の「コレラ」も流行しやすくなり、問題となっています。
また、インドなどの南アジアでは、豪雨による洪水で作物が全滅することがあり、貧困者を増加させています。
このように貧困と一言で言っても、原因も異なれば、複数の原因が混在している国もあります。
次回は実際の具体的な世界の現状と日本の現状、またそれに対して行われている取り組みを見ていきます。
同じ時代に住む仲間だからこそ、力を合わせて生きていけるともっともっと幸せな人が世界中に増えていくことでしょう。
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