
私たち人間は、1日に約2万回呼吸をしていると言われています。
生まれた瞬間から生命を維持するために絶えずしている呼吸。
呼吸とは生きることであり、生物にとって必要不可欠なこと、
ですが、正しい呼吸ができている割合はわずか5%とも言われています。
ほとんどの方が、呼吸が浅い状態で日々を過ごしているようです。
呼吸が浅くなってしまう原因はいったい何なのでしょうか?
そもそも正しい呼吸とはどんな呼吸なのか?
正しい呼吸が私たちに与えてくれる影響とは?
当たり前のようにしている呼吸なので、普段意識することはありませんが、今回は骨格や姿勢などの観点から正しい呼吸について掘り下げていきたいと思います。

呼吸の仕組み
鼻や口から吸い込んだ空気は、気管を通って肺に送られます。
息を吸う時は 横隔膜が下がり、肺が引っ張られて広がりそこに空気が入ります。
息を吐き出す時は横隔膜が上がり胸の中の体積を小さくし肺がしぼんで空気を押し出します。
肺は筋肉がないため自ら動くことはできないので、横隔膜や胸郭の筋肉によって肺を膨らませたり、しぼませたりしながら空気の出し入れを行います。
肺に空気が入ると、一瞬のうちに空気中の酸素を血液の中に取り込み 、いらなくなった二酸化炭素を排出するので、効率よく代謝するためにも横隔膜をしっかりと動かした正しい呼吸をしてあげましょう。
現代人が呼吸エラーを起こしやすい原因とは
現代人の多くは横隔膜をしっかりと動かしながら行う正しい呼吸ができておらず、
呼吸が浅い人が多いと言われています。
そんな呼吸エラーを引き起こす原因はいったい何なのでしょうか?
呼吸エラーを起こしやすい大きな原因は2つ考えられます。
1つ目は、昼夜関係ないライフスタイルによって交感神経が優位な生活をしていること。
もう1つは運動不足による姿勢不良によるもの。
① 交感神経優位な日常
日常的に時間に追われる生活をしている現代人は交感神経が優位に働く時間が圧倒的に多いと言われています。
仕事を夜遅くまでしている、食事は仕事や家事の合間にサクッと済ませてしまう、
自然と触れ合う時間が少ない、人間関係での悩みを抱えている、
このような生活環境は交感神経を優位にします。
交感神経が優位に働くと血液循環や代謝を上げて活動性を高め、呼吸は浅くなります。
そんな時間を多く過ごす現代人は、副交感神経が優位に働く時間を増やしてあげることが大切です。
寝る1時間前からデジタルデバイスから離れる、毎日湯船に浸かる、簡単なストレッチで体をほぐすなど、意識的に切り替えてあげましょう。
また交感神経は脊柱から、副交感神経は仙骨と脳幹から出ているので、
背骨を動かすことは自律神経のバランスを整えることにも繋がります。
② 姿勢不良による呼吸の質低下
家事など日常的な動作は全て体の前側で行われます。
それに加えてパソコンやスマホの使用時間が長くなると、背中が丸まり、猫背やストレートネックを引き起こします。
背中が丸まると胸郭が圧迫され胸郭内に収まっている肺の動きが制限されます。
姿勢が悪いと横隔膜の動きも低下するので自然と呼吸は浅くなります。
呼吸と姿勢は大きく関わります。
姿勢を整えることは正しい呼吸への近道です。
呼吸と姿勢の関係性とは
呼吸を行う肺は、胸椎・肋骨・胸骨からなる胸郭に囲まれています。
肺の下にはドーム状の横隔膜があり、この横隔膜を境に胸腔(上側)と腹腔(下側)に分けることができます。
肺に空気を流入させる役割の7~8 割を担うのが膜状の筋肉である横隔膜です。
息を吸う時は、横隔膜が下がって胸腔が減圧されて肺に空気が入り、腹腔は加圧されます。
逆に息を吐くときは、横隔膜が上がり肺から空気が押し出されます。
この胸腔と腹腔の相互関係がきちんと働くには、
骨盤の上に、胸郭と頭部がきちんと乗っていることが重要です。
反り腰や猫背の姿勢はこの骨格のポジションが整わないので、
呼吸が浅くなり、腹圧も入らず骨格を安定させるインナーマッスルの働きが不十分になります。この状態は体に不具合を引き起こす原因となり得ます。
体に不具合を感じている方の多くは、呼吸が浅く、インナーマッスルの働きが弱いことがあると言われます。
呼吸エラーの大きな要因は姿勢エラーにあり。
正しい呼吸をするには姿勢の改善は必須となります。

骨格を整えて正しい呼吸をマスターしよう
正しい呼吸ができるようまずは姿勢から整えていきましょう。
姿勢を整えた状態でストレッチ・呼吸練習を行います。
骨格ニュートラル


正しい呼吸をするための姿勢を整えよう
【ポイント】
・腰が丸まらないように骨盤を立てる
・腰を反らないよう肋骨を締める
・骨盤、胸郭、頭部が同ライン上に整っていること
サイドストレッチ
筋肉が硬くなると呼吸が浅くなる原因に…
呼吸をサポートする胸周りの筋肉をストレッチ
❶あぐらで姿勢を整えた状態から両手を横に広げる
❷片方に倒し上側の肋骨辺りに息を送り込むイメージで呼吸をする
❸逆側も同様に行う


【ポイント】
・横に体を倒したときに胸が前に出たり腰が反らないように気をつける
・常に骨盤、胸郭、頭部の位置を整える
・肩は力まず行う
呼吸練習
横隔膜をしっかりと動かしましょう
座位ポジション
❶あぐらで骨格の位置を整えて座る
❷両手で外側から肋骨を掴む
❸肋骨を外側&背中側に広げるように息を吸う
❹肋骨を締めながら息を吐く
❺繰り返す


【ポイント】
・息を吸う時は、肺を風船のように四方八方に膨らませるイメージで肋骨を動かす
・息を吸った時に肩が上がったり、腰を反らないよう気をつける
・常に骨格のポジションを維持する
四つ這いポジション
❶股関節の真下に膝、手は肩幅より少し広めに開き、背骨は上下に伸ばす
❷手のひらで床を押し背中を丸める(骨盤後傾・脊柱はCカーブ)
❸この状態で背中側に息を送るイメージで吸う
❹吐く時はこのCカーブを維持したまま更に手で床を押す
❺繰り返す


【ポイント】
・肩に力が入らないように気をつける
・肩甲骨は横に広げ背中の筋肉を伸ばす
・手は床を押し続ける

呼吸を深く行うには、呼吸に関わる筋肉を弛めてあげることが大切です。
日常的にストレッチを行う習慣を身につけましょう。
仕事が忙しかった日や一日中頭を働かせていた日は、就寝前に深呼吸を行い、体の力を抜いてリラックスさせましょう。
深い呼吸は体をゆるめます。体をゆるめると呼吸は深くなります。
この相互関係を理解し、日々の生活にストレッチを取り入れたり、呼吸に意識を向ける時間をつくりましょう。
この日々のちょっとした努力があなたの人生の質を高めてくれます。
「呼吸とは生きること」
質の良い呼吸で体を巡らせ、健やかな人生をおくりましょう!!

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