
約10年の間に、腸内環境の重要性に注目が集まり、テレビ番組や雑誌などでも数多く取り上げられています。
医学の父ヒポクラテスも「すべての病気は腸に始まる」というほど、腸の状態は私たちの健康に密接に関係しています。
そんな腸の状態を整えるのにプロバイオティクスとプレバイオティクスが役立ってくれるのはご存知でしょうか?
プロバイオティクスは知っていても、プレバイオティクスは初めて聞いた!という方もいるかもしれません。
腸内細菌を整える上で、どちらも欠かせないものなのですが、プレバイオティクスは意外と知られていません。
今回はプレバイオティクスについてまとめていきます。

プレバイオティクスが働く腸の仕組み
私たちの体は食べたものでできていますが、その栄養が吸収されるのは腸。腸の状態によって吸収率が変わってくるのです。
腸内には、多種多様な細菌が生息しています。それらは1000兆個以上と言われており、様々な細菌がバランスを取りながら腸内環境を保っています。
その腸内細菌は人に良い影響を与える「善玉菌」人に悪い影響を与える「悪玉菌」、腸内環境の良し悪しによって、どちらにもなりうる「日和見菌」の3種類の細菌があります。
悪玉菌が増えると便秘や下痢になり、肌トラブルやむくみをはじめ、免疫力が下がり様々な病気を招きやすくなります。
逆に、腸内環境がいいと、免疫力が高まり健康な体を維持しやすくなります。
腸内細菌を良い状態に保つために、大事になることが、悪玉菌を増やさずに、善玉菌を増やすこと。
このことがわかってから、腸内細菌の育菌や菌活などが流行るようになってきたのですが、
そのために大切なのが、プロバイオティクスとプレバイオティクス。

プロバイオティクスとプレバイオティクスの違いは?
プロバイオティクスとプレバイオティクスは、名前は似ていますが、役割が違います。それぞれ次のようなものです。
プロバイオティクス
プロバイオティクスは、1989年、イギリスの微生物学者Fllerにより「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に有益に働く生きた微生物」と定義されました。
つまりはビフィズス菌や乳酸菌などの人の腸に存在する善玉菌のこと。腸内環境を良くすることによって私たちの健康に役立つ微生物や食品をさします。

プレバイオティクス
プレバイオティクスという言葉は、1994年にGibsonとRoberfroidにより提唱された概念で、「大腸の特定の細菌を増殖させることなどにより、宿主に有益に働く食品成分」と定義されています。
分かりやすく言うと、腸内細菌の善玉菌が増えやすく、働きやすい環境に整える役目をするもので、善玉菌のエサになり、元気に育てる働きがあります。具体的には,オリゴ糖や食物繊維があげられます。
ですから、プレバイオティクスは、プロバイオティクスや元々腸の中にいる善玉菌を育て、働かせるために大切になってくるもの。
腸内フローラを整えるためには大切になってくるものなのですね!
プレバイオティクスを摂るとどのような効果があるの?
プレバイオティクスはオリゴ糖や食物繊維なので、プレバイオティクスを摂ることで、乳酸菌・ビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、ミネラル吸収促進作用、炎症性腸疾患への予防・改善作用、などが期待できるとされています。
プレバイオティクスを含む食べ物は?
プロバイオティクスは善玉菌で、最近では、ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆などの発酵食品に含まれていることや、サプリメントなどでもよく見かけるようになりました。
では、プレバイオティクスは一体どういうものを摂ればいいのでしょうか?
上記にも記載した通り、プレバイオティクスは、オリゴ糖や食物繊維です。
では、どのような食材を摂るのがおすすめなのかというと
オリゴ糖・・・アスパラガス、きゃべつ、ごぼう、たまねぎ、大豆、バナナ
食物繊維・・・穀類、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、ニンニク、藻類など
私たちが普段よく目にしたり、食べたりしているものに含まれているのです。

プロバイオティクスとプレバイオティクス合わせたシンバイオティクス
プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂ることをシンバイオティクスと言います。
善玉菌であるプロバイオティクスとそれを増やしてくれるプレバイオティクス。
どちらも一緒に摂ることで、より効果的に腸内環境を改善できると考えらえています。
これらは、一日摂ったからOKではなく、継続的に摂取していくことが大切。
これまで、プロバイオティクスを意識して摂られていた方は、ぜひプレバイオティクスも合わせて摂るようにしてみてくださいね。
これからの冬の季節、風邪やインフルエンザが流行りやすくなります。
それらに負けないように、シンバイオティクスを摂って、体の免疫力をアップさせていきましょう。

参照「(公財)腸内細菌学会」
https://bifidus-fund.jp/keyword/kw022.shtml
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