
「フードロス削減」「フードロスゼロ」
最近このような言葉をよく聞くようになりました。
私たち日本人はいつでもどこでも手軽に食べ物が買える 環境でもあり、家庭以外でもレストランやカフェなど、食生活に困ることなく毎日を過ごすことができ、とても恵まれた国であると思います。
そんな日常が当たり前の私たちは、お腹いっぱいだったり、好き嫌いがあったりで、食べ物を残してしまったりした経験はきっと誰もがあることではないでしょうか?
また、冷蔵庫の中のものを腐らせてしまったり、コンビニなどで残ったお弁当がたくさん廃棄されている なんてことも。
その反面、今世界で問題視されているものの一つ がフードロス。
フードロスの歴史と今現在私たちが出来ることを探っていきたいと思います。

フードロスとは?
生産から消費の過程で食べられるのに廃棄されてしまう食品のことを言います。
このフードロスは世界全体で年間13億トン。
そのうち日本では年間646万トンになります。
日本人一人当たりで言えば年間51kgもの食料を廃棄する計算となるのです。
フードロスのタイプ
一言でフードロスと言っても様々な段階でフードロスがあります。
では、実際にフードロス はどのような段階で発生しているのでしょうか。
①生産:収穫作業中の損耗、損傷、収穫物の選別対象外、畜産での飼育中死亡、漁獲作業における廃棄
②貯蔵:貯蔵設備段階での劣化、輸送中の損傷による廃棄
③加工:加工工程中の品質消耗・劣化、選別対象外による廃棄
④流通:卸売市場等での選別除外、賞味期限切れの廃棄
⑤消費:家庭や飲食店での食べ残し、賞味期限切れ、品質劣化による廃棄
私たち消費者は主に⑤の段階でのフードロスに接する機会が多いですが、私たちの手元に食品が届く前の段階でも大変多くのフードロスが生じているのが現状なのです。
「フードロス」の歴史。いつから言われるようになったのか?
食べ物を残すと「もったいない」と親からよく言われたもの。
しかしながら「もったいない=フードロス」と言う考えには至らなかった時代は日本が高度成長期の頃。
では「フードロス」や「食品ロス」と言う言葉はいつ頃から登場するようになったのでしょうか?
昔から食べ残しや食品廃棄は目に見えた状態でありましたが、まずは「食品ロス」の言葉が出てきたのは1998年頃と言われています。
そしてメディア上に少しずつ増えてきたのは2000年に入ってから。
2001年には農林水産省の食品ロス統計調査が始まりました。
その当時は「食品ロス」の言葉だけで、「フードロス」の言葉が出てきたのは2007年頃の話。
その頃には食品関連業者に「食品リサイクル法」が適用され、2001年に施行されています。
そして2008年にはフードバンク活動(まだ食べられるものを必要としている人に届ける活動)が一部地域団体で立ち上がり、私たちも「フードロス」や「食品ロス」への意識を植え付けることのひとつとなりました。
その後、2015年には国連総会でSDGs(Sustainable Development Goals ・持続可能な開発目標)が採択され、この考えに賛同した先進的な企業が経営理念等に取り入れ始めるようになりました。
最近ではSDGsの言葉と共に「フードロス」「食品ロス」の言葉もメディアやSNS等で頻繁に聞くようになり、個々で意識をし、活動している方々も多く見受けられるようになりました。

フードロスへの意識と世界飢餓の現状
このように少しずつ広がるフードロスへの意識。
しかしながら、その反面、食料不足で年々飢餓に苦しんでいる人々は世界規模で増加しています。
「飢餓」とは?
飢餓とは慢性的な栄養不足の状態。
SDGsでも「飢餓をゼロに」と言う目標が2番目に掲げられています。
2019年の段階では、世界で飢餓に苦しむ人々は約8億2000万人を超えています。
約9人に1人が飢えに苦しんでいるのです。
日本に住む私たちでは考えにくいかもしれませんが、世界のあちこちで多くの子供の発育に影響し、成長の遅れ、内臓の発育不足、脳の発達障害、そして更に深刻な場合には死に至っていることもあるのです。
飢餓の原因としては
世界で飢餓に苦しむ人が増えている原因は、干ばつや洪水による災害や、紛争による食糧不足、農作物を育てるための資金不足による貧困など様々。
ですが、食料生産が追いついていないからではありません。
世界中の一人ひとりが十分に食べられるだけの食料が生産されています。
しかしその足りているはずの食料のうち、3分の1が食品ロスとなっている現実があるのです。

同じ時代に生まれていても、生まれてくる土地が少し違うだけで生活が一変します。
もし、自分の子供や家族など大切な人が、食事ができない状態だったら…。
今、食事ができることのありがたさを感じられるのではないでしょうか。
そして、想像してみてください、何百万人もの農家や企業、私たち家庭で捨てていた食べ物を無くすことが出来たらと。
実は、この飢餓やフードロスに対して、世界もただ手をこまねいてみているだけではなく、様々な取り組みがなされています。
次回は、世界の取り組みと日本の現状について考えていきましょう。
【次回の記事はこちら】
社会課題のフードロスと飢餓削減へ向けて。世界の取り組みを知ろう

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