
あなたはどんなときに笑いますか?
楽しいとき、面白いときに笑顔になる方はほとんどだと思います。
疲れたとき、悲しいことがあったとき、幸せになりたいとき、そんなときに笑えますか?
とても笑いたくない気分のときでも、笑顔を作ることで、幸せを感じる脳内物質が分泌されるなど、科学的にも笑うことには意味があるとわかっています。
口をニッとムリヤリ上げるだけでもOK。笑いたくないときこそ、笑ってみましょう!
免疫アップ、抗炎症作用、抗うつ効果など、笑いの最新科学にせまります。

人はなぜ笑うのか?
バラエティ番組や、漫才などのお笑い、芸人さんのコントなどを見ていると、つい笑いがこみ上げてきます。もちろん、番組の製作者や芸人さんは、視聴者・お客さんを笑わせようとしているのですから、当然といえば当然のことですが、人はどんなときに笑ってしまうのでしょうか?
最近の研究では、人は「予想外のことに笑う」とされています。逆に言うと、なにかしら後の展開を予想しており、その予想が外れた時に、つい笑ってしまうのです。
もっと言うと、その予想すらしない人は、笑わないのです。予想ができる、ということは高度に脳をはたらかせていることになります。
そして、よく笑う子どもほど学力が高い、という説も言われています。
「笑う」という、たったひとつのアクションですが、その裏では脳が複雑にはたらいていることがわかります。
人が笑うと、脳はどうなるのでしょうか?
人が笑うと体の中で何が起こるのか
近年の研究で、人が笑うと、脳内でエンドルフィンや成長ホルモンを分泌したり、 NK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化させることがわかっています。
エンドルフィンとは、モルヒネと同様の幸せ感をもたらすため「脳内麻薬」と呼ばれることも。
エンドルフィンは笑う他に食欲や本能が満たされたときにも分泌されているもの。
エンドルフィンが分泌されると、人は痛みに対して強くなり、血流が増えて新陳代謝や免疫力が強化されます。
また、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)はがん細胞や体内に侵入するウイルスなど、体に悪影響を及ぼす物質を退治している リンパ球の一種です。
つまり、笑いはインフルエンザなどの感染症やがんの予防にもなる かもしれないということです。
声を上げて笑うと、肺・心臓などが刺激され、脈拍や血圧が安定し、リラックスしたり、自律神経を整え、うつ病の防止につながります。全身の筋肉が動くので、代謝も上昇し、筋力がアップします。
いつもニコニコしている人は表情筋が発達しており、若々しい表情です。反対に、笑うことが少ないと、表情の筋肉がゆるみ、老けた印象を与えたり、疲れているように見えたり、不機嫌そうに見えます。
見た目の印象もそうですが、美容の観点から見ても、笑うことは良いことと言えますね。

笑いとコミュニケーション
脳と体を強くするために、人は笑うようになったのではないか…という説があります。そして、人は笑うことから思わぬ副産物を得ました。
笑顔がコミュニケーションを円滑にしたり、社会協調にも役立っているのです。
何人もの笑い声のサンプルを聞かせる、という実験がありました。被験者たちは、数秒間の笑い声を聞くだけで、親しい人たちの笑い声を聞き分けることができたのです。私たちは互いに笑い合うことで、不要な争いを避け、絆を深めています。
赤ちゃんが笑う、もしくは笑っているように見えるのも、周りの人と絆を深めようとしているから、と考えられています。赤ちゃんは自分ひとりでは何もできず、誰かの力を借りないと生きていくことができません。笑うことで敵を減らし、味方を増やしているのです。
周りの人が笑顔だと、つられて笑顔になってしまう…そんな経験はありませんか?これもエンドルフィンのはたらきと考えられています。
一緒にいる人たちと笑うと、同時にエンドルフィンが放出され、一体感や安心感が生まれます。相手に笑いかけ、敵ではないことを表現し、相手も笑顔になり、絆が深まる。自分が笑うと、周りの人にまで幸せを与え、自分も周りの人から幸せを分けてもらう。
笑うというアクションひとつだけで、とても複雑なコミュニケーションをこなしていることが分かります。

笑うのは人だけ?
最近の研究では、人だけでなく動物も笑うことがわかっています。サルやネズミの仲間、犬など、哺乳類全般は笑うと考えられます。
機嫌が良いときに気持ちよさそうな顔をするのは、笑っているサイン。実はあなたのペットも、ニコニコと笑っているのかもしれません。

日本の諺に、「笑う門には福来たる」というものがありますが、
本当にこの諺の通り、笑顔は私たちに様々なものをもたらせてくれます。
疲れていたり、元気が出ないときこそ、自分に笑顔を贈ってみませんか?
いつでも、だれでも、カンタンにできる、自分へのプレゼントです。
きっと笑顔があなたを幸せに導いてくれることでしょう。

参考
https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/warai-genki/souron-hitohanazewaraunoka.html
https://www.japa.org/tips/kkj_1008/
http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/1/15165/2016052721104654679/017_1_001_008.pdf
http://usprepo.office.usp.ac.jp/dspace/bitstream/11355/104/1/JHNS%20007%20037.pdf
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