
若さを保ったり健康を維持する上で、食事の内容を意識したり、サプリメントを摂取されている方は多いと思います。
せっかくいい栄養素を摂り入れても、吸収できずに排泄されてしまうともったいないですよね。
しっかり栄養を吸収するためには、おなかの中に余計なものが溜まっていると吸収できません。
というのも、栄養を吸収する臓器は、腸。
ですが、排泄する臓器も腸。
ですから、吸収するものが悪くても、排泄ができていなくても、腸の状態が乱れてきます。
栄養を摂ることは意識をしている人は多くいますが、排泄を意識できている人はどれだけいるでしょうか?
排泄が上手くできていない場合、腸の中に古い便が溜まっている状態。
古い便があるところに、いい栄養を入れても吸収されないですよね。
排泄時にしっかりと便をセルフチェックすると、あなたの体がどういう状態なのかがわかってきます。
体の状態を映すバロメーターの役割をする「お便り」が便なのです。
心身のコンディションは便の形や色、においにも表れます。
ですから、きれいな肌をつくるためにも、艶のあるキレイな髪をつくるためにも、すっきりしたボディラインをつくるためにも、
排泄された便をしっかりチェックすることが大切。

便は何でできている?
口から入った食物は、消化管(口腔、食道、胃、小腸、大腸、肛門)という1本の管を通り消化・吸収され、約24~72時間後に最後には肛門から便として出ていきます。
消化管での消化・吸収の後に排泄される便は、健康な人ではバナナ状。7~8割が水分です。その残りのうち、食べ物のカスは3分の1程度しかなく、残りの3分の1が腸内細菌で、生きている細菌やその死骸です。
あとの残りは、古くなって腸から剥がれ落ちた細胞などが含まれます。
わずか1g(乾燥ベース)の便には、なんと約1兆個の腸内細菌が含まれているんです。
便は「食べ物のカス」だけでできていると思われがちですが、実は腸内細菌も多く含んでいるのです。
このため、便をヒントに、自分の腸内フローラ(※)のバランスをうかがい知ることができるのです。
つまり便は、目には見えない腸内フローラの状態を知らせる体からの大切な「お便り」ともいえるのです。
※腸管には腸内細菌が様々いて、それらはまるで植物が群生しているお花畑のようであることから「腸内フローラ」と呼ばれています。
いい便の状態とは?
いい便の状態は、次のような状態です。
健康な便 6つのポイント
【硬さ】練り歯みがきのようになめらかで軟らかい
【におい】便臭はあるがきつい悪臭ではない
【色】黄土色~茶色
【形】バナナ状、またはとぐろを巻く
【量】バナナ1本~2本程度
【重さ】トイレの水に浮く
バナナ状の便が、毎日同じタイミングで出るのがベスト。
少しいきめばスルリと出て、排泄後に「スッキリとした爽快感」があれば、いい便と言えるでしょう。

セルフチェックのときのポイント
硬さをチェック
便の硬さは「水分量」です。健康的な便は、おおよそ全体の70~80%程度が水分といわれています。
水分量が60%以下では硬くコロコロした便になり、便秘の状態に。水分量が90%以上になると下痢の状態になります。
においをチェック
便の固形成分には「食物の残りカス、腸内細菌、はがれ落ちた腸の粘膜」があり、「におい」に影響するのが「腸内細菌」です。
腸内細菌には大きく「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」があります。この中でも「悪玉菌」は肉などのたんぱく質や脂質をエサとして好みます。
食生活が肉や脂っこいものに偏ると、悪玉菌が増え、おなかの中で分解するときにイヤなにおいを放つ物質を作り出します。
さらに、においが強いときは便秘に陥っていることが多いもの。便秘でおなかの中に便が長くとどまることで、さらに悪玉菌が増える悪循環を招きます。
一定数を超えた悪玉菌は、腸内のたんぱく質を腐敗させ、アンモニアや硫化水素などの有害物質をつくり出し、においがきつくなるのです。
一方、おなかの中に食物繊維やオリゴ糖を好む「善玉菌」が多いと、便秘の改善にもなり、便のにおいは抑えられると考えられています。
色をチェック
理想の便の色は「黄土色~茶色」。
ですが、便がおなかの中にとどまっている時間が長いほど、便の色は濃くなります。
便は1日に何回出すといいの?
一般的には1日3回から1週3回程度の回数なら正常範囲内で、
「週に3回以上の排便がない」状態を便秘と考えることが多いようです。
ただし、排便は状態や量などの個人差が大きいものです。
目安となるのは「定期的にしっかりとした量の排便があり」「排便後に、スッキリとした爽快感があるかどうか」。
毎日、お通じがあっても「おなかに便が残ってる感じがする、おなかが張る、便が硬くて痛い」などの不快な症状がある場合、また、薬や浣腸に頼らないと排便できない場合には改善が必要です。

便秘だなと感じる方は
便秘だな、と感じる方は、まずは朝一杯の白湯を飲むようにしましょう。
水分不足だと便が固くなり、排泄されにくくなります。
そして、腸内細菌を整えるために、食物繊維をよく摂ることがおススメです。
食物繊維は、善玉菌のエサになり、水分を吸収してスムーズに外に運ばれる便を作ってくれます。
ただ、食物繊維には水溶性と脂溶性のものがあり、どちらかを多く摂っても改善されにくいので、バランスよく摂ることが大切です。
そして、食物繊維とともに生きたビフィズス菌や乳酸菌の入っているヨーグルトや乳酸菌飲料、発酵食品を摂ること。
腸内細菌は十人十色ですから、いろいろなヨーグルトを試して自分に合うものを見つけると良いです。
また、ウォーキングなどで便を「出す」筋肉をつけてください。

こんな便と出会ったら要注意!
赤い便は痔か大腸がん、黒い便は便秘か大腸がん、緑の便は胆汁酸の酸化、白や灰色の便は脂肪のとりすぎによる消化不良や病気の可能性が(バリウム服用後は問題ありません)。
また、これまで嗅いだことのないにおいがするときも要注意。
お酒の飲み過ぎや揚げ物の食べ過ぎ、にんにくやたまねぎの食べ過ぎなどがあれば、便が強烈なにおいを放っていても不思議ではありません。
しかし、食事に心当たりがないのに異臭がするときは、体調不良のアラームかもしれません。
こういった状態の便が出たら医師の診察を受けることをおススメします。
便は、食生活・運動のほか、ストレスなどの影響で日々変化します。
ストレスがあると女性は便秘しますが、男性は逆に下痢をする傾向もります。
いつもバナナの状態になるように、自分の「お便り」を、毎日きちんとセルフチェックをする癖をつけましょう!
私たちの身体は、消化・吸収・排泄がスムーズにいっているからこそ、元気な体を保つことができ、若々しく、いきいきとした見た目が作られるのです。

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