vol.596 心と体の不調は「背骨の硬さ」が原因かも?
姿勢と呼吸を整える背骨コンディショニング

column

2025.12.19

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デスクに向かい、パソコンの画面を見つめる時間。ソファに座り、スマートフォンを操作するひととき。現代の私たちの生活は、便利さと引き換えに、特定の姿勢で長時間過ごすことが増えています。
ふと窓ガラスに映った自分の姿に、「あれ?」と首をかしげたことはありませんか。 背中が丸くなっている、首が前に出ている…。鏡を見るたびに感じる、なんとなく冴えない印象。あるいは、理由がはっきりしないけれど「体が重く、動きにくい」「肩周りがいつもこわばっている」といった、日常的な不快感。

もし、そうしたことが気になっているなら、それは「姿勢の乱れ」や「背骨の硬さ」が関係しているかもしれません。
この記事では、私たちが健康で快適に、そして美しく日々を過ごすための土台となる「姿勢」と、その要である「背骨の柔軟性」に着目し、しなやかな体づくりをサポートする方法をご紹介します。

呼吸の状態から健康度をチェックしてみましょう

では、今のあなたの健康度合いはどれくらいでしょうか?
以下、いくつ当てはまるかチェックしてみてください。

①呼吸が浅いと感じる
②たくさん息を吸おうとすると苦しい
③呼吸したときにろっ骨が膨らむ感覚がない
④無理に吸い込み身体が緊張する
⑤息を吸い込もうとしすぎて頭が痛くなる
⑥肩周辺が挙上(上がる)する
⑦吸う時に胸の前側が広がり腰を反ってしまう

あなたはいくつ当てはまりましたか?
1つでも当てはまると黄色信号です。

では、これらをどのように改善していけばよいでしょうか。

背骨は「体の軸」だけでなく「健康の要」

私たちは普段、「背骨」を意識することは少ないかもしれません。しかし、背骨(脊柱)は、私たちの体を支えるまさに「大黒柱」です。
首からお尻まで連なる小さな骨(椎骨)が積み重なってできており、重い頭を支え、体幹を安定させ、そして内側には生命活動に欠かせない大切な神経を守る通り道としての役割も担っています。

ただ支えるだけでなく、背骨の中には脳と体をつなぐ神経が通っており、姿勢や動き、呼吸などとも深く関係しています。
健康的な背骨は、なめらかなS字カーブを描いていて、この自然なカーブが、体にかかる重力や衝撃をやわらげ、スムーズな動きをサポートしてくれるのです。
ところが、猫背や反り腰などの姿勢のクセが続くと、このカーブが崩れ、背中まわりの筋肉や関節に負担がかかってしまいます。
結果として、肩や腰のこわばり、呼吸の浅さ、疲労感などにつながることもあるのです。

姿勢が乱れると、心にも影響が

姿勢の崩れは、筋肉や骨格の問題だけにとどまりません。
姿勢と「呼吸」や「自律神経」は密接に関係しています。

猫背になると胸が圧迫され、呼吸が浅くなりやすくなります。
浅い呼吸は酸素の取り込み量を減らし、体のエネルギー循環を滞らせる要因に。
また、浅い呼吸が続くと、自律神経のバランスも乱れやすく、気分の落ち込みやイライラなど、心のコンディションにも影響を与えることがあるといわれています。
つまり「姿勢を整えること」は、体をまっすぐにするだけでなく、呼吸を深く、心を穏やかに整えるための第一歩でもあるのです。

しなやかな背骨と美しい姿勢を目指すケア

よい姿勢を作るために背骨を動かしましょう。背骨がしなやかに動くほど、正しい位置に戻しやすくなります。
逆に動かない背骨(可動域がない背骨)は元の状態に戻すことがとても難しくなります。
背骨が柔軟であればあるほど、自然とよい姿勢を保ちやすくなります。柔軟な背骨にするために、日々のケアが大切です。

エクササイズ1 キャット&カウ(キャットストレッチ)

背骨を「丸める動き」と「反らせる動き」で、固まりがちな背中全体をほぐし、柔軟性にアプローチします。

<やり方>
① 肩の真下に手首、股関節の真下に膝がくるように四つん這いになります。床に対して背中が平らな状態からスタートします。
② ゆっくりと息を吐きながら、おへそを覗き込むように、背中を天井に向かって丸めていきます。しっぽの骨(尾骨)を床に向け、首の力は抜きましょう。背骨全体で大きなアーチを作るイメージです。
③ 次に、息を吸いながら、胸を開いて視線をゆっくりと斜め前に向けます。尾骨を天井に向けるようにして、背中をしなやかに反らせます。(※この時、腰だけを強く反らせて痛めないよう、お腹の力は抜かないように意識します)
④ この「丸める」「反らせる」の動きを、深い呼吸に合わせてゆっくりと5〜10回繰り返します。

<ポイント>
背骨全体が波打つように、一つひとつの骨が順番に動いていくことをイメージしながら行いましょう。特に「胸の後ろ側(胸椎)」が動く感覚に意識を向けることが大切です。

エクササイズ2 ロールダウン(&ロールアップ)

立位で、重力を利用しながら背骨を一つずつコントロールして動かす練習です。

<やり方>
① 両足を腰幅程度に開いて立ちます。両腕はリラックスして体の横に下ろします。
② 息を吐きながら、まず顎をそっと胸に近づけます。
③ 首の骨(頸椎)から順番に、頭の重みを感じながら背骨を一つずつ前に折りたたむように、ゆっくりと前屈していきます。
④ 次に胸の骨(胸椎)、腰の骨(腰椎)と、背骨が順番に丸まっていくのを感じます。(※膝は軽く曲がっても構いません)
⑤ 無理のない範囲まで倒したら、一度息を吸って準備します。
⑥ 息を吐きながら、今度は下から順番に背骨を積み上げていきます。骨盤(お尻の骨)を元の位置に戻し、腰の骨、胸の骨、首の骨…と、一つずつ丁寧に積み木を積むように、最後に頭が乗って元の姿勢に戻ります。
⑦ これを3〜5回繰り返します。

<ポイント> 常にお腹に軽く力を入れ、インナーマッスルで動きを支える意識を持つことが重要です。勢いをつけず、背骨一つひとつの動きを頭の中で描きながら、コントロールして行いましょう。

エクササイズ3 シーテッドツイスト(座ってできる背骨ねじり)

背骨を回旋(ひねる)動作で動かすことで、可動域を広げ、姿勢をリセットします。
デスクに座ったままでもできる、リラックス効果の高い動きです。

<やり方>
① 椅子に浅く腰かけ、背筋をまっすぐに伸ばします。
② 息を吸いながら 背骨を縦に伸ばすイメージで姿勢を整えます。
③ 息を吐きながら ゆっくりと上半身を右にねじります。
 左手を右太ももの外側に添え、右手は背もたれに軽く添えてサポートします。
④3〜5呼吸キープしたら、反対側も同様に。
⑤各方向を2〜3セット繰り返します。

<ポイント>腰だけでなく、背骨全体を「上から順に」ねじる意識を持ちましょう。
肩が上がらないようリラックスして、呼吸を止めずに行うことが大切です。

私たちが健やかで快適な毎日を送るため、そして年齢を重ねても自分らしく輝き続けるために、「美しい姿勢」と「しなやかな背骨」は欠かすことのできない大切な土台です。

それは、一朝一夕に手に入るものではなく、日々の意識とケアの積み重ねによって育まれていきます。

体の「軸」から効率よく動かせるようになると、無駄な力が抜け、動作がしなやかになります。日常生活での「立ち上がる」「歩く」といった基本的な動作が快適になり、疲れにくさを感じる人もいるかもしれません。
「最近、体に不調和を感じる」「もっと軽やかに動きたい」。 そう感じたら、まずはご自身の背骨や姿勢に、そっと意識を向けることから始めてみませんか。しなやかで健やかな体づくりは、10年後、20年後の自分への、何物にも代えがたい「投資」となるはずです。

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