vol.395 SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の
日本の現状と世界の取り組みを知ろう

column

2023.12.11

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前回、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」における世界の状況をみてきました。
毎年毎年、世界では進化している産業と技術ですが、まだまだ課題は山盛り。
私たちが当たり前に生活できているこの今の環境も、インフラの技術の進歩の上に成り立っているのです。
とはいえ、今の日本もこのままでいいわけではありません。

今回は日本の状況と世界の取り組みについて見ていきましょう。

SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」とは

SDGsの目標9は、強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図ることを指します。開発途上国への道路や情報通信、技術、衛生施設、電力、水といった基礎インフラの整備、またインターネットの普及などが求められています。

目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の日本の現状は

2022年のSDGs達成度ランキングにおいて、日本は、目標9は達成済みと評価されています。しかしながら、目標9に課題が残っているのも事実です。

日本の課題①インフラの老朽化

国内において、高度経済成長期に整備された道路や下水道、河川などのインフラの老朽化が問題となりはじめています。今後20年の間で、建設から50年以上経過する施設の割合が急速に高くなるのです。
近年、自然災害が増え、大雨や地震などが増えている中、老朽化の程度によって事故のリスクが増します。
年数だけでなく、立地や利用条件によって、大規模な補修や修繕などが必要とされてくる可能性があります。

日本の課題②インターネットの環境

日本のインターネット普及率は91.1%と高い数値を誇っています。
とはいえ、一方で山間部や離島エリアをカバーしきれていないといった課題も残されています。

地方の活性化や山間部などで突発的な災害や事故などが起きたときに対応するためにも、日本全国100%のエリアでインターネットを活用できる環境を整えることは理想です。
また世帯年収や年代別によってインターネットの利用状況の差異が見られるのも 事実として存在するので、そうした格差を除くことは今後の課題の1つです。

目標9に対する取り組み

JICA(独立行政法人国際協力機構)によるタンザニア道路セクター支援

JICAは2010年から2013年の間にタンザニアの幹線道路及び州間道路の一つの道路支援を実施。この事業の実施により、当エリアの輸送能力増強を図り、周辺地域及び近隣諸国の経済の活性化、経済統合促進、沿線地域の貧困削減に寄与することが期待されています。
そして、これ以降もJICAはタンザニアの道路支援を続けていて、タンザニアの経済成長及び周辺エリアとの地域統合を支援しています。

アフリカの人々の暮らしを救う、水と電気とネットを供給できる「Watly」

「Watly」とは、イタリアとスペインの合併企業であるスタートアップが開発した機械です。太陽光発電を利用して、電気や水、そしてインターネットまでも提供することができます。
Watlyは、1台で太陽光発電による「電力」と、1日に約5,000Lの「清潔な水」、そして「インターネット」の供給が可能です。そのため、開発途上国のインフラやデジタル格差解消に大きく貢献するだろうと考えられています。
そして、このWatlyはガーナで試運転が開始しており、ガーナの国民の生活だけでなく、教育面でも活躍が期待されています。

G20が発足したグローバル・インフラストラクチャー・ファシリティー(GIF)

GIFは、世界銀行が主導するインフラ投資の仕組みで、2014年にG20が発足しました。

開発途上国や新興国ではインフラ整備にかけられる資金が限られています。この問題を解決するため、国際開発金融機関、民間金融機関及び政府の取り組みを一体化し、単一機関では実行不可能で複雑な事業を達成するための協調を促進するプラットフォームとしてGIFが設立されました。

GIFの積極的な投資活動とインフラ整備事業は、開発途上国のインフラ整備を支え、そしてその発展に大きく貢献しています。

日本でも多くの企業が取り組みを行っている

いくつかの取り組みを紹介しましたが、日本の企業でも様々な取り組みが実施されています。
例えば、製作会社によってベトナムの水道会社へ高効率ポンプを導入し、浄水場の電力消費量を削減したり、大手飲料メーカーが自家発電で電気を作れる災害対応自販機を全国に設置。
ネットワーク会社が浸水センサ・雨量計等の各種センサから得られた浸水情報をリアルタイムで配信し、道路管理できるシステムを提供するなど、それぞれができることから始めています。

これまでの資源を使って大量生産・大量消費してきた時代とはやり方を変えて、資源をよりムダなく使い、少ない人員でも大きな成果が生み出せるように効率的なシステムを持続できる 仕組みを考えていかなくてはなりません。
人々の生活を支え、産業の基盤となるのが「インフラ」です。
私たちが当たり前に使用しているスマートフォンや電気、電車や自動車などどのように供給されているのか。出来上がっているのか。また自分たちが使えるのか。
そういった構造を考えてみましょう。
今私たちの生活は誰かの手によって出来上がっています。
そして、今日もまた、世界のどこかでは新しい技術が誕生しているかもしれません。私たちの生活をより豊かに安心した生活にするために。

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参考
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/9-industry/
https://www.itu.int/en/ITU-D/Statistics/Pages/facts/default.aspx
https://ethicame.com/shop/information/SDGs29
https://www.jica.go.jp/Resource/tanzania/office/activities/project/31.html
https://www.cnn.co.jp/business/35084748.html
https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/industry_inovation_sdgs/4324/
https://miraii.jp/sdgs-12
https://sdgs-connect.com/archives/47387#SDGs9-4
https://sdgs-connect.com/archives/38403#ICT
https://www.mirai-port.com/people/2531/
https://sdgs.media/blog/16002/

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