vol.257 世界と日本の貧困の状況は。私たちができること

column

2022.09.07

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前回はSDGsと貧困の定義や、なぜ貧困が起こるのか、その原因などを見てきました。
1日約210円で生活をしなくてはいけないとしたらどうでしょうか。
現在、世界中には貧困で困っている人たちが多くいます。それは海外だけ の話ではなく、日本でも起こっています。
今回はより具体的な世界の状況や日本の状況、また行われている取り組みなどを見ていきましょう。

世界の貧困の状況は?

1990年代、当時の世界の人口の35%が極度に貧しい 暮らしをしていました。そのうち半分は、東アジアと太平洋の国々 で、その地域の中では60%の人たちが貧困層でした。
そこから、東アジアと太平洋の国は発展し、極度に貧しい暮らしをしている人たちの割合は、2013年には60%から3.5%にまで減っています。
南アジアの貧困率も、1990年に45%でしたが、2013年には15%にまで減っています。

サハラ以南のアフリカ地域での貧困率は、1990年の54%から2013年には41%、3.9 億人に減っています。
ですが、この地域では総人口が増えており、貧困の人数は1億1300万人も増えているのが現状で、世界の極度に貧しい人の半分がサハラ以南のアフリカ地域に暮らしています。

サハラ以南のアフリカ、南アジアなどは、今後、気候変動や食料不安により新たな脅威が生じる中で、この割合は今後、さらに上昇すると見られています。

2022年4月ユニセフが発表した内容によると、
コロナウイルスの「パンデミックにより、1億人以上の子どもたちが新たに貧困状態に陥ったと推定されており、この人数は、2019年から10%増加しています。貧困が拡大したことで、今年末までにさらに900万人の子どもが、児童労働に従事させられる可能性があります。」と発表しました。

海外だけではない!日本の貧困の現状

では、日本の現状はどうでしょうか?
貧困とは無縁と思われがちな日本ですが、実情は貧困が起こっています。

日本の問題は、これまで見てきた「絶対的貧困」ではなく、その地域社会の大多数の標準と比べて貧しい状態の「相対的貧困」で考える必要があります。
相対的貧困とは、ある地域のなかで、大多数の人の生活レベルよりも経済的に貧しい状態のことを言います。

具体的には、
・高齢者の約5人に1人 
・高齢者以外 の約7人に1人
が貧困状態となっていると言われています。

2018年に厚生労働省が報告した「相対的貧困率等に関する調査分析結果について」には、相対的貧困に陥っている世帯は全体の15.4%となっていて、生活保護受給者の数は約200万人となっています。
また、ひとり親世帯かつ親が就業している場合の相対的貧困率は2016年時点で54.6%と、ひとり親世帯の約半数が貧困に苦しんでいるのが現状なのです。

この状況が続くと、様々な問題を引き起こす原因となることが予想されます。
お金がないと病気になっても病院に行くことはできず、教育を受けるチャンスも限られてしまいます。
教育を受けられずに、進学をあきらめてしまったり、社会の様々なサービスから取り残されていく、また、それが連鎖していくということを断ち切らないといけません。

ですが、2020年からの新型コロナウィルスの影響でさらに収入が減り、貧困が加速するといった見方もされています。
現在、貧困を解決するために様々な支援が行われています。できる人ができることを始めていくことが大切です。

貧困をなくすための取り組みは

貧困を解決するために、早急な世界規模の協力が必要です。経済的な支援、人道的な支援、環境にやさしい科学技術の開発と普及など、様々な国や団体が取り組んでいる現状です。

例えば、日本では、
2013年「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立
2014年「子どもの貧困対策に関する大綱」が閣議決定
2015年10月 「子どもの未来応援国民運動」を始動
ということが行われています。

また、政府だけではなく、企業の取り組みも進んでいて、
カンボジアで植林をスタートさせた企業があります。
これは、ただ木を植えるだけではなく、植えた木が長期に渡って現地の人の収入源となるような取り組みになっています。

他にも、京都のコーヒーメーカーでは、国際フェアトレード認証コーヒーを販売したり、コーヒー生産者の生活を豊かにしつつ絶滅危惧種のオランウータンの保全につながる活動を しているところもあります。

世界に対してだけでなく、地域の取り組みとして、お腹をすかせた子どもや一人で食事をしている子どものための子ども食堂も全国で広がりを見せています。

今、私たちができること

貧困の人は多くいるのが現状ですが、全世界で考えると、2002年から2012年にかけて、貧困ライン以下で暮らす人々の割合は、世界人口の26%から13%へ半減し、今後も経済成長率が維持されると仮定すると、2030年までに4%へと低下することが見込まれています。

私たちが今日からできることも多くあります。
例えば、ユニセフや国境なき医師団など貧困を助けようとしている団体へ寄付をすること、
知った知識を周りの方へ共有し、そういった意識を持った人を増やすことも、立派な取り組みです。

また、買い物をするときに、フェアトレードのものを買ったり、地域のこども食堂などボランティア活動に参加することもできます。

私たちのちょっとした一歩が、子どもの未来を守り、地球全体の未来をも守っていきます。
今からできることを一人ひとり考えてみませんか。

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https://www.worldbank.org/ja/country/japan/brief/global-poverty-line-faq
https://datatopics.worldbank.org/sdgatlas/archive/2017/SDG-01-no-poverty.html
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s3_2_14.html

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