
私たちの体の中で、血流、血液は非常に重要な役割を担っています。
血行不良がさまざまな病気の原因になるといっても過言ではないくらい、血の巡りは大切なもの。
健康的な体を目指すなら、体の隅々まで酸素や栄養が行き渡りやすくなるよう血の巡りを良くする必要があるのです。
血の巡りがよい体にすることで、体だけでなく心も元気になります。
ここでは、血の巡りが促進されることで得られる、さまざまな効果について解説していきます。

血液の役割は?血の巡りが悪いってどういう影響があるの?
私たちの体内では、血の巡り、血液の循環によって全身の細胞に酸素と栄養が運ばれています。また、体内の水分を保持したり、二酸化炭素や老廃物を回収するのも血液の循環が担ってくれています。
ですが、重力の影響で、血液も引っ張られ、体を動かさなければ下の方に滞りやすく、押し流す力も低下します。
また、血液自体が不足することでも、酸素や栄養を運ぶ機能が低下してしまうので、巡りは悪くなります。
このように血の巡りが悪くなることで、冷えや生理痛や生理不順、肩こり、むくみ、高血圧、しわ、くすみなどが、血液量の減少によって、動悸や息切れ、味覚異常、微熱、不安感などの原因がよくわからない不調が起こりやすくなります。
こうしたことを放置していると、大病につながると言われています。
ですから、こうした未病と呼ばれているものを防ぐためにも、漢方の世界では、血は生命を支えるすべての土台だと考えられているぐらい大切なものなのです。
血の巡りが悪くなる原因は?漢方で考える3つの体質
漢方では、体は「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」の3つの構成要素で支えられていると考えます。この3つの構成要素のバランスが悪いと私たちの体には、さまざまなトラブルが出やすくなると考えられています。血にまつわるものは、以下の状態。

血虚(けっきょ)
顔色が悪く血が足りない状態。
胃腸の機能低下、栄養不足が原因の可能性大。月経不順、冷え症、めまい、立ち眩み、白髪や抜け毛が多い、爪が割れやすい、動悸、かすみ目、疲れ目、貧血などの症状が。
血を補う生活改善が大切です。
瘀血(おけつ)
気と血の巡りが悪く、老廃物が溜まった状態。
ひどい生理痛や血の塊が出たり、下痢と便秘を繰り返す場合も。頭痛がおこったり、イライラしやすくなる、シミやそばかすが多いなども。
運動や入浴で血行の改善を。
気滞(きたい)
気の巡りが悪くなり、気が滞っている状態。
漢方では気は、元気の源である“生命エネルギー”であると同時に、精神をコントロールする気持ちの気、さらには体のすべてを動かしコントロールする“機能”でもあると考えています。
イライラしやすい、不安、ニキビが出る、眠れない、胸やみぞおちが張って苦しい、片頭痛が良く起こるなどの症状が出やすいです。
自律神経を整える生活改善が必要です。
気虚(ききょ)
気の量が不足し、機能低下が生じている状態。
新陳代謝が悪くなり、疲れやすい、手足が冷たい、軟便や下痢をしがち、冷え症、胃もたれしやすいなどの症状が出る、風邪をひきやすいなど。
規則正しい食生活が大切!
日常生活を見直すことで血の巡りが変わる
①血液を作れる体にするために、食事の見直しを
漢方の考え方では、胃腸が【気血生化の源】と呼ばれ、体を動かすエネルギーである〝気〟も〝血〟も、胃腸で作られるとされています。
その胃腸を元気にしないことには、血流は生み出されないのです。
胃腸を元気にするために、休ませる空腹時間が大切です。
空腹時間によって、胃腸は休息と掃除をし、本来の機能を取り戻します。
おすすめなのが、1日のうち、夕食を抜いて16時間の空腹時間を作る夕食断食。
現代社会はつい食べ過ぎたり、時間が遅くなることが多くなりがち。
夕食を抜く(もしくは早い時間に食べる)ことで、胃腸が休まり、本来の働きを取り戻せるようになります。
胃腸が本来の働きを取り戻すと、血を作ることができ、気も回復してきます。
併せて、胃腸を疲れさせやすい揚げ物やお肉中心の食事、バターやラードなど脂肪の多い食品の摂りすぎには注意しましょう。お肉は鶏肉がおすすめ。漢方では、鶏肉は血を増やす食材とされています。
食べる時は適量に、野菜と一緒に食べるなど、食生活を今一度見直しましょう。

②血を増やすために、睡眠の見直しを
睡眠は肝臓機能を高め、血を補充するための大切な時間だと漢方では考えています。
しっかりと睡眠時間を取ること、熟睡することは大切です。
特にゴールデンタイムと言われる22時~2時の間はできるだけ寝るようにしましょう。
また、体内時計を整えるために、朝日を浴びることもおすすめです。
朝日を浴びるとセロトニンが分泌されて、15、16時間後に自然と眠たくなります。
③血流を促すために、巡りの習慣を
体の巡りをよくするために、緊張していてはよくなりません。お風呂に浸かってリラックスし、軽くマッサージをするのは効果的。また、歩いたり、軽いランニングなど体を動かすことでも体の巡りはよくなります。
そうしたときに、できるだけ深い呼吸を意識すると腹部や横隔膜を膨らませたり凹ませたりでき、血流の改善につながります。
ストレスを発散して、体をすっきりリラックスする時間を意識して作りましょう。

血の巡りは体だけでなく、心の安定にもつながります。
「心身一如」という言葉もありますが、体と心は最初から分けられないもの。何か心の悩みがあるときも、心だけどうにかしようと頭でぐるぐる考えるより、まずは体の巡りから整えることがおすすめです。

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