マクロビオティックという言葉を聞いたことがありますか?
海外から来たような言葉に聞こえますが、実は日本の食事が原点となっている言葉なのです。
初めて聞いた!聞いたことはあるけれど詳しくはわからない!そのように思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この方法をうまく摂り入れると、食べながらにして体調管理やダイエットまでできちゃいます。
今回は基礎から体形づくりに活かせる部分をご紹介します。
マクロ ビオティックって何!?
まず、マクロビオティックを英語表示するとMACRO BIOTICとなります。
MACRO = 大きい
BIO = 生命
TIC = 術・学
の意味があり、江戸時代を起源とした従来の食養であり、長く思い切り生きるための理論と方法なのです。
実は江戸時代の平均寿命は約40歳だったと言われています。
しかしながらこの時代を80歳以上生きた貝原益軒(カイバラエキケン)の実体験に基づいた健康法を記した著書「養生訓(ようじょうくん)」が当時ベストセラーとなりました。
そこには江戸時代の食養法のみならず、儒教思想に基づいた養生、精神の養生、五官の機能、季節や気温に合わせた体調管理などが記されています。
ただし、江戸時代にはマクロビオティックと言う言葉は存在せず、後の明治時代の医師であった石塚左玄(イシヅカサゲン)氏により玄米食の普及を促し、その際に「身土不二」「一物全体」「陰陽調和」を提言し、「食養会」を設立。
その後、食養会の会員でもあり、会長にも就任した桜沢如一(サクラザワユキカズ)氏により陰陽論を取り入れた食養法「マクロビオティック」を提唱しました。
マクロ ビオティックの二大原則
先述の通り、マクロビオティックには大切な二大原則があります。
① 身土不二(しんどふじ)
身体と環境(特に土)は密接な関係があり、暮らす土地での旬のものこそ心身ともにバランスが整うと言う考え方のこと。
例えば…
1,寒帯地域・・・身体を温めて引き締める食べ物=肉類・魚類=陽性の食材
2,温帯地域・・・バランスの良い中庸の食べ物=穀物・野菜・豆類・海藻類=中庸の食材
3,熱帯地域・・・身体を冷やして緩める食べ物=コーヒー、スパイス類、トロピカルフルーツ、砂糖=陰性の食材
② 一物全体(いちぶつぜんたい)
生命たるものはその個体そのものにバランスが保たれており、例えば根菜類の皮やアクを含め、食材全体丸ごと食すことこそが身体を整わせるという考え方です。
マクロ ビオティックの陰陽論
身土不二の話の中で、陽性、陰性、中庸と言う言葉が出てきましたが、食材の陰陽論とはどのようなものなのでしょうか?
陰とは?また、それに属する食材は
地球の中心から太陽に向かって上昇、拡散をする動き。細胞を緩めて身体を冷やす効果があるとされる食材です。
季節:春、夏に成長
成長の方向:太陽に向かって縦に上に伸びる、地に沿って広く広がる
代表的な陰性の食材:ナス、トマト、キュウリ、ジャガイモ、スイカ、メロン、トロピカルフルーツ、コーヒー、砂糖等
陽とは?また、それに属する食材は
太陽から地球の中心に向かって下降、収縮をする動き。細胞を締めて身体を温める効果があるとされる食材のことです。
季節:秋、冬に成長
成長の方向:地球の中心に向かって縦に下へ伸びる
代表的な陽性の食材
にんじん、ごぼう、レンコン、ふき、動物性のもの、自然塩等
食材の陰陽って難しい!と思われるかもしれません。
しかしながら、季節、気候を考えてみるとさほど難しいものではなく、また、太陽に向かって成長するもの、地球の中心に向かって成長するもの等それぞれ特徴があるものです。
そのようなことを踏まえると、私たち日本人にとって、陰陽・中庸と考えてみると、温帯地域にある日本では中庸の食材が私たちにはバランスの良い食材と考えられる訳です 。
そして、マクロ ビオティックではこの中庸こそがオススメの食べ物、食べ方とも言えるのです。
それではバランスの良い中庸の食材とはどのようなものなのでしょうか?
日本を代表する中庸のエリート食材とは?
中庸とは?
陰と陽の中間にあり、細胞、身体のバランスを保つ食材。
また、陰陽のバランスを考え、陰陽2つの食材を併せて中庸にすると言う食べ方もあります。
例えば、フランス料理でよく提供される「生ハムメロン」を食べたことがある!なんて言う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
メロンは陰性の食材、生ハムは陽性の食材、この2つを組み合わせて中庸に保たれているのです。
また、スイカに塩をかけて食べると言う方も多いと思います。甘さが増す感じがする…と言う考え方もありますが、スイカは陰性、塩は陽性、と中庸バランスへとうまく取り入れられた昔の人の知恵でもある のです。
そして、ファストフード店でハンバーガーを注文すると、ポテトも合わせていかがですか?と聞かれることも。
肉類は陽性、ジャガイモは陰性、こちらもただ王道の組み合わせと言うわけではなく、陰陽バランスをしっかり考えられた中庸への組み合わせでもあるのです。
中庸の食材
では、単品での中庸食材はどのようなものがあるのでしょうか?
中庸の食材は、丸みを帯びた形のもので、土の表面や土のすぐ下に比較的出来るもの、また、太陽に向かって育っても頭が土に向かって下がるものなどが比較的多いものです。
カボチャや玉ねぎ、白菜、豆類、ナッツ類、また、海の中で太陽に向かって成長する海藻類もまた中庸食材として考えられています。
日本の中庸食の代表の一つ「お米」
そして、日本の代表食「お米」。
私たちの祖先は昔からお米を主食として生活をしてきましたが、このお米こそが中庸の食材です 。
春前から稲を育て、6月ごろに田植え、夏の時期に成長し、秋に収穫。
収穫後は長い年月保存も可能であり、一年中通して私たちはお米を食卓で楽しむことができるのです。
精米されていないお米=いわゆる玄米。
玄米は収穫されてから稲を外し、籾殻を除いた状態なだけであり、果皮、胚芽、糠(ぬか)はそのままついたまま。
籾殻から外されても実は玄米、生きています。
水につけると芽吹きます。
そして翌年の稲へと新しい命を育むのです。
しかもこの玄米はかなりの生命力で、保存状況の良い状態のものは、江戸時代に収穫された玄米を水につけてみたら芽吹いたと言う話も過去にあったくらい、生命力が素晴らしいものなのです。
玄米を食べたことがない、ボソボソしていてイヤ!と言う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、生きているお米でもあり、なんと言っても栄養価が高いのです。
そんなエリートな玄米はキレイになる食材でもあり、なんとダイエット効果もあるのです。
【玄米の記事はこちら】
■健康のためにと食べる人が増えてきた「玄米食」と白米との違い
今回はマクロビオティックの基本についてご紹介しました。
次回は、この考え方を活かして、ダイエットにもなる日常で活かせるマクロビオティックの具体的な摂り入れ方をご紹介します。
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