前回、前々回とフードロスの現状や世界の取り組みについてみてきました。
現在年間646万トンの食品廃棄が起こっている日本。
1人当たり、年間51kgの食品廃棄に値するのは驚きではないでしょうか。
普段、私たちが何気なく残す食事や、冷蔵庫で傷めてしまう食品など捉え方が変わった方もいるかもしれません。
日本でも、何も対策がされていないわけではなく、様々な取り組みがされています。
そして、それは、社会が行動するだけでなく、私たち一人ひとりも行動できることです。
今回は、日本での取り組みの内容や、私たちの生活スタイルを考えてみましょう。
【前回までの記事はこちら】
世界の問題の1つフードロス。その歴史と世界の飢餓の現状
社会課題のフードロスと飢餓削減へ向けて。世界の取り組みを知ろう
フードロスに対する日本の取り組み
日本でも食品廃棄の現状をこのままでいいというわけではなく、様々な取り組みがされています。
国の法律による考え方
2001年には食品関連事業者に対して施行された「食品リサイクル法」。その内容は、食品の売れ残りや食べ残し、食品製造過程での食品廃棄を抑え、廃棄する量を軽減することを目的とする法律です。
他にも2019年には、国や地方団体、各事業者が連携し、協力して食品ロス削減を推進する「食品ロスの削減の推進に関する法律」が新しく施行されました。
消費者庁、農林水産省、経済産業省、環境省、文科省は「食品ロス削減に向けた国民運動の展開(NO-FOODLOSS PROJECT )」を推進し、積極的にフードロス削減に活動する企業や団体へ特別なロゴマークの利用許可をし、活動の応援をしています。
自治体での取り組みは
また、各自治体では食べ残しを減らすための小盛りメニューの提供や、持ち帰り対応を促し、「食べきり協力店」として認定をしたり、「生ゴミ3キリ運動」として「使いきり 、食べきり、水きり」を掲げている飲食店や宿泊施設を認定、など考えが変わり始め、少しずつ飲食店や宿泊、宴会施設でその活動が進みつつあります。
アメリカでは50年以上の歴史がある「フードバンク」。
日本では2000年にフードバンクが発足し、現在は77のフードバンク団体が存在し、廃棄される予定のまだ食べられるものを譲り受け、福祉施設やそれらを必要としている人々に提供をしています。
私たちの生活の身近なところでの取り組み
他にも、フードロス削減への取り組みとして大手企業が梱包方法の再開発、1人暮らしでも食べきれるサイズ展開などされています。
また、大手コンビニエンスチェーンでも、賞味期限や消費期限が近くなると割引での販売をしたり、外食チェーン店でも食べきれなかった分は持ち帰りを促すポップ案内や、通販サイトでも訳あり商品として販売されていることも。
こういった取り組みは、安い価格で手に入れられる、と人気を集めています。
少しずつではありますが、このような企業努力が国からも団体からも認められ、今後更に大きく活動していくようになるとも考えられています。
家庭で今日からできるフードロスへの取り組みとは?
フードロスの大きな原因の一つは家庭からの食品廃棄。
その家庭からの廃棄を少しでも減らすためには買い物に行く前にまず冷蔵庫の中身をチェックすること。それこそがフードロス削減への第一歩です。
① 冷蔵庫の中身と家族のスケジュールをチェックする
② まとめ買いを避け、購入する量を考える
③ なるべく賞味期限の近いものを買う
④ 農作物は一物全体!廃棄してしまう皮は栄養分の宝庫なので、食べられるものはきれいに洗い、皮の部分までしっかり調理する
⑤ ロングライフ(穀物や乾燥豆、ナッツ類や納豆等の発酵食品、乾燥野菜など)食材を使用する
⑥ 外食の際は、持ち帰りOKのフードロス削減への取り組み店を選ぶ
もうすでに取り組んでいることや今日からできることもあるのではないでしょうか?
もし取り組んでいないものがあったならば、是非一つでも追加してみると更にフードロス削減への取り組みへと繋がり、環境問題への解決にも繋がっていくことにもなります。
フードロスゼロはキッチンからの革命!
それでもどうしても不要と感じられた食品、廃棄処分したいものがある…と言う前に、
フードバンクを利用することにより、不要と思っていたものがそれを必要と思う人々の手に渡ることにもなり、大変喜ばれます。
フードバンクに寄付が可能な食品とは?
・缶詰
・フリーズドライ食品、乾物
・インスタント食品、レトルト食品
・調味料
・缶コーヒーやジュース
・穀物、パスタ
・その他備蓄食品
賞味期限が切れていても、賞味期限は美味しく食べられる目安として捉え、まだまだ食べられる食品として受け取ってくれるフードバンクは多いものです。
もしお歳暮やお中元などで頂いたものや、買ったけれどなかなか食べずに放置しているものなどあれば、是非このようなフードバンクを活用してみてはいかがでしょうか?
また、農作物で皮を剥かなくても食べられるものは、皮を剥かないで調理してみる、なんてことも手軽にできるフードロス対策です。農作物は皮と身の部分が栄養の宝庫。
そのような部分を廃棄してしまうのは本当にもったいないことです。
どの食材にも命があること、そして私たちの命を支えてくれるもの。
大切な命全体を無駄なく食すことこそが、フードロスゼロへ繋がる道となるのです。
キッチンからフードロスゼロへ。
それこそが真のフードロスゼロへの革命なのです!
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