vol.324 沖縄で味わう島時間。ココロとカラダの養生を

column

2023.04.11

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時間の流れが早く、常に頭が忙しい私たち。
文明が進化し情報を得るスピードが早くなり、問題解決のスピードも早くなっていく。
物理的に仕事のスピードも早くなり、無意識のうちにこなす仕事量も増加している現状があります。

日々を効率的に暮らしていけるツールが増え、その恩恵を受けることができるのと同時に、人間らしさとはかけ離れた生活をしていると感じる時が多くあります。

本来、私たち人間も自然の一部のはず。

時間や季節の流れを感じ、調和しながら暮らしていくこと。
そんな人間本来の暮らし方を経験できなくなった今だからこそ、
意図的に、頭を休め自然の中で何もしない時間を過ごすことが大切だと思います。

自然の中で、季節を感じながら時間に追われない時を体験すること。
それがカラダとココロのバランスを保つことへと繋がります。

そんな、カラダとココロの養生をするのに最適だと感じる場所が沖縄です。
様々な観点から見ても、沖縄のポテンシャルは高いと感じます。

沖縄がカラダとココロの養生に向いている理由とは一体?

沖縄の歴史

沖縄はかつて琉球王国という独自の国家を形成していました。
琉球王国は中国と朝貢貿易を行いながら、中国の小分国として友好な関係性を保ちながら国家を維持していました。
のちに薩摩藩が攻め入り支配し、長い間日中領属国というかたちで統治されていましたが、明治維新の改革により強制的に明治政府の支配下となり450年に及ぶ琉球の歴史は幕を閉じました。

日本国沖縄県となった琉球王国ですが、その後の太平洋戦争では激戦地となり約20万人を越す犠牲者が出ました。
かつて何度も大飢饉に見舞われたこともあり、そんな不幸な歴史の多い沖縄ですが、2000年ごろまでは長寿世界一でした。
今は世界一からは転落したとはいえ、75歳以上の人口が男女ともに日本一です。

今も変わらない沖縄の長寿を支えている生活文化の基盤は、かつての琉球王朝時代から続いてきた独自性の文化にあると考えられます。

長寿地域 沖縄の文化

長寿地域、沖縄の独自の文化をみていきましょう。

独特な時間感覚と考え方

沖縄には日本本土と異なる独特の時間感覚があります。
ウチナータイムと呼ばれるその時間感覚は、とてもゆっくりとして、
細かいことや過ぎたことは気にしないとされます。

✔︎起きたことをクヨクヨと考えすぎない
✔︎時間に追われ過ぎない

多くの人と関わる機会が増え人間関係の悩みが増えている現代社会。
そして時間に追われた生活を余儀なくされている現代人と全く真逆の価値観です。

沖縄の食文化

心身の健康を作る食文化が定着していました

❶さつまいも(紅芋)
栄養価の高い糖質が主食
ビタミンC・食物繊維・ベータカロテンが豊富で
抗ガン効果もある

❷ゴーヤ
ビタミンCやカリウムが豊富で疲労回復や血管を丈夫に保ち
心臓や筋肉の機能調整をしてくれる
取りすぎた塩分の排出効果もあり

❸ヨモギ
ヨモギの中でも特に沖縄の品種はマラリア抑制作用がありWHOも注目している
解熱剤や体内の悪玉コレステロールなどの有害物を除去する効果
香りの作用で神経をリラックスさせてくれる効果もある

❹ウコン
肝臓を刺激し、消化液を沢山出させる効果がある
強い抗酸化力を持つ
抗炎症剤・抗がん剤として有効
フリーラジカルの除去

❺月桃
強い抗炎症・抗菌作用
整腸作用・咳止め効果がある
ストレスを和らげ心を穏やかに保つリラックス効果もある

さつまいもは消化に負担をかけない貴重なエネルギー源です。
抗酸化力のある野菜や薬と同じ効果をもたらすハーブが沖縄の食の基盤としてありました。
カラダだけでなくココロの健康を作る食材がとても豊富だということが分かります。

助け合いの精神

沖縄の伝統である模合の制度などから見えてくる、お互いを思い助け合う精神があります。

手助けをしてくれる人がいるという安心感があり、孤独感を軽減しながら暮らすことができるという、精神衛生上良い環境があります。
沖縄の小さな島に行けば行くほど、その傾向が強く感じられます。

沖縄島養生のススメ

沖縄には海や山などいまだ手付かずの自然環境があります。
本島と比べ年間を通して温暖で冬でも過ごしやすいこと、時間の流れがゆっくりなこと。
戦後アメリカナイズされた食文化が定着した背景はありつつも、いまだに戦前の健康的な食文化が残っているのも特徴です。

常に時間に追われて忙しく暮らす私たち。
そして多くの人と関われるようになったことで増えた人間関係の悩み。
人の感情を必要以上に受け取ってしまったり、人の顔色を伺いながら暮らしている方も多くみられます。

自分の感情を蔑ろにしているなと感じたり、自分らしくいることへの難しさを感じた時、そんな自分軸から外れそうになった時は、一度沖縄の環境に触れてみてはいかがでしょうか?

沖縄の島々に滞在し、その土地の文化に触れながら土地のものをいただく。
都会の早い時間の流れから離れ、ウチナータイムを味わうことでカラダもココロもゆるみ、精神的な安らぎを感じられることでしょう。

参考著書
The Blue Zones(ブルーゾーン)2nd Edition(セカンドエディション)―世界の100歳人(センテナリアン)に学ぶ健康と長寿9つのルール
ビュイトナー,ダン【著】〈Buettner,Dan〉/荒川 雅志【訳・監修】/仙名 紀【訳】
[12/4開催] The Blue Zones 2nd Edition 発売記念 琉球大学教授 荒川雅志先生トークイベント|ウェルネス・オキナワ・ジャパン認証制度 - 沖縄県産健康食品ブランド - (wellness-okinawa.jp)

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