vol.317 LGBTQへの世界と日本の取り組み。
SDGsとのかかわりは?

column

2023.03.16

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前回のコラムでは、LGBTQの基本と課題について見てきました。
少数派と分類されますが、少なくとも皆同じ人であり、感情も思考もあります。
日本でも約9%の人がLGBTQだと言われている今、これまで「自分には関係ない」と思っていた人も、常に知識をアップデートする必要があるテーマなのです。
そうした人たちに対し、世界または日本でも どういう取り組みが行われているのか見ていきましょう。

SDGsにおけるLGBTQ(セクシュアルマイノリティー)は

では、SDGsにはセクシュアルマイノリティーに関する記述はあるのでしょうか。

目標5でジェンダー平等の達成において、女性の人権に関する言及はされていますが、実は、SDGs内でセクシュアルマイノリティーに直接言及されている箇所はありません。

これは、SDGsが国連の全加盟国に課せられた目標であり、中にはセクシュアルマイノリティーの権利確保に否定的なスタンスをとる国や違法になる国があることが理由だと言われています。

ただし、あらゆるマイノリティは、世間の目が行き届かなかったり、「普通ではない」と誤解されたりして、社会から取りこぼされることが多い存在です。
元国連事務総長のパン・ギムン氏はSDGsの中に明確な表記はされていなくとも、誰一人置き去りにしないというSDGsの理念は変わらず、どんなセクシュアリティを持つ人も差別されてはならないと意思を表明しています。
SDGsの大前提である「誰ひとり置き去りにしない」ことは、あらゆる面におけるマイノリティの人にも、様々な権利が保証されるべきだということを忘れてはなりません。

世界のLGBTQ(セクシュアルマイノリティー)に対する取り組み

世界では、様々な法律や取り組みがスタートしています。

例えば、台湾。
以前より台湾ではLGBTQの人権・差別禁止について教育に盛り込まれているなど、セクシュアル マイノリティーに対して積極的に対策をされてきました 。
そして、2019年の法改正により、アジアで初めて同性婚が法的に認められる国となりました。そこから約1年の間に同性婚を行ったカップルは4,000組を超えているそうです。

また、イギリス・ドイツ・スペインなどのヨーロッパでは、2010年ごろから個人の性自認によって戸籍上の性別を変更できる法律の整備が進んでいます。

また、Appleやマイクロソフトなどでは、多様性を重視した雇用を展開したり、LGBTQの従業員から構成される社内団体が存在したり、社外のLGBT Q団体に積極的に協力したりという企業もあります。

日本の国内での取り組み

日本のLGBTQの各分野への対応は、世界の動きから見れば、大きな遅れがあるといわざるを得ない状況です。 しかし、日本でもこれまで様々な取り組みが行われています。

2002年には、「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月15日閣議決定)に同性愛者への差別といった性的指向に係る問題の解決に資する施策の検討を行うことが盛り込まれました。

また、2015年頃から増えているのが、自治体によるパートナーシップ制度の実施。
2020年(令和2年)3月の時点で、全国34の自治体が独自に制度を開始しています。

その内容は、自治体によってさまざまで、例えば渋谷区では、2015年4月に同性カップルに対して「結婚に相当する関係」を認めるパートナーシップ証明書を発行する条例を施行しました。
文京区では、2017年4月に行政の窓口や学校で差別的な言動を受けないようにするため、区職員や教員向けに対応指針を策定したり、区民に説明会を開いたりするなど、文京区からLGBTQの方々に対する配慮や理解を深めようという取り組みがなされています。

また、自治体だけでなく、様々な取り組みをスタートしている企業も多くあります。

例えば、大手の電力会社では、すべての人が働きやすい環境を整えるため、LGBTQへの理解啓発に関する取り組みとして、全従業員を対象にeラーニングを実施したり、相談窓口の設置を進めていたりします。

ある生命保険会社では、2015年から死亡保険金の受取人の指定範囲を拡大し、異性間の事実婚に準じて、「同性のパートナー」を受取人に指定することが可能としています。

社員の配偶者および家族に適用する制度について、会社の定める同性パートナー登録を行った社員(およびそのパートナーと家族)にも同様に適用するという社内環境の整備や、役員から社員を対象とした継続的な研修を行うなど社内の理解促進を図っている航空会社もあります。

まだまだ課題はありますが、LGBTQの方は、世界中に多く存在しているのが事実です。
私達一人一人が、まずは多様な性のあり方について理解し、誰もが差別を恐れずありのままの声を挙げられる環境を形成していく事が大切です。
LGBTQに属する人も、そうでない人も、全員、今この時代を生きる同じ人間、仲間として、「誰1人置き去りにしない」世界を作り上げていきましょう。

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参考
https://jibun-rashiku.jp/column/column-2884
https://gooddo.jp/magazine/gender_equality/lgbt_gender/6739/
https://miraimedia.asahi.com/lgbtqsdgs_01/
https://www.mirai-port.com/people/2523/
https://sdgs-connect.com/archives/5414
https://spaceshipearth.jp/lgbtq/

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