vol.239 季節を感じるライフスタイルを~本格的な夏の始まり、土用の丑の日~

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2022.07.07

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夏になるとスーパーなどで目にする「土用の丑の日」。うなぎの写真と共に見ることが多いですが、どうして土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのか、そもそも土用の丑の日はいつかご存知ですか?

今では当たり前のように土用の丑の日にはうなぎを食べることが多いですが、この記事では、土用の丑の日の意味や由来、過ごし方やなぜうなぎを食べるようになったのかについて解説していきます。

土用の丑の日とは?

土用は季節が変わる18日間のこと

「土用」は古代中国で考案された二十四節気の四立「立夏・立秋・立冬・立春」直前の季節の変わり目の約18日間の「期間」を示す言葉です。ですから、夏だけではなく、年に4回あります。
「土曜」とイメージされる方もいるかもしれませんが、土用は「土(つち)」という意味が込められています。この「土」は古代中国の陰陽五行説の宇宙のものを構成している「木・火・土・金・水」の「土」を指します。

丑の日とは十二支の1つ

丑は、干支で知られる『十二支』の丑のこと。昔の暦では日にちを十二支(子・丑・寅・卯…)で数えて12日毎に繰り返されていました。

つまり”土用の丑の日”とは、土用の期間におとずれる丑の日の事を指しているのです。

土用は毎年違うので、土用の丑の日も毎年変わります。

土用の丑の日はいつ??

「土用」は春夏秋冬どの時期にも存在します。
ですが、土用丑の日というと夏のイメージが強いですよね。
夏の土用(夏土用)の丑の日は、毎年だいたい7月19日~8月6日です(年により1~2日ほど日付が前後します)。土用が終わると、翌日が立秋。
2022年の今年は、7月23日、8月4日と夏に2日間土用の丑の日がやってきます。

・2022年の土用の丑の日
1月24日、4月18日、4月30日、7月23日、8月4日、10月27日

・2023年の土用の丑の日
1月19日、1月31日、4月25日、7月30日、10月22日、11月3日

・2024年の土用の丑の日
1月26日、4月19日、5月1日、7月24日、8月5日、10月28日

夏のイメージが強い理由

1年で何度もやってくる土用の丑の日。ですが、土用丑の日というと夏のイメージが強いですよね。
これはなぜかと言うと、春夏秋冬の土用の中でも夏の土用が最も体調を崩しやすいと考えられていたためです。
大暑(夏の土用)の頃は、暑さで人の精気が奪われると同時に、冷蔵保存設備もなかったので、菌も繁殖しやすく、疫病も流行りやすい時期でした。また、水の事故も多く、人の命が危なくなることが多いため、夏が特に危険視されてきたのです。
そういった背景から、夏の土用が重要視されるようになったとされています。

土用の丑の日の食事

夏の土用の丑の日は「う」が付くものを食べると夏負けしないという言い伝えがあります。うどん、瓜、梅干しなどがそれ。うなぎもここからヒントを得たようです。

うなぎを食べるようになったのは?

夏にうなぎを食べるようになったのは、1000年以上も前と言われています。7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本最古の和歌集「万葉集」にはうなぎを詠んだ歌があります。
「石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしと云ふ物ぞ うなぎ取り召せ」大伴家持
意味は友人である石麻呂に、「痩せているきみは、夏痩せにはうなぎを食べるといい」ということを 伝えた歌です。

また、一般的に広まったとされるのは、1700年代後半。江戸時代に、夏に売り上げが落ちる」と鰻屋から相談を受けた蘭学者の平賀源内が、店先に「本日土用の丑の日」と張り紙をするようアドバイスして、人気になったから…という説がよく知られています。

うなぎ以外の「う」のつく食材

上記に記載したように、うなぎの他にも「う」のつく食材を食べるといいとされています。うどんは食欲がないときでも、つるっと食べられて手軽に栄養補給ができます。
また、瓜はきゅうりやニガウリ、スイカなど多種多様。どれもカリウムを豊富に含んでいて、摂りすぎた塩分を 排出してくれたり、水気が多いものなので、夏におすすめです。
梅干しには、クエン酸が豊富で、疲労回復に役立ちます。

うなぎだけではなく、「シジミ」もある

夏と冬、2回の旬があるのが、オルニチンというアミノ酸を豊富に含んだ「シジミ」。
冬の寒しじみと夏の土用しじみとして有名で、夏のしじみは産卵期を迎えているので栄養価が非常に高く、夏バテにはピッタリの食材。

土用の丑の日の食事以外の風習は

「栄養がある食べ物」以外にも、土用の丑の日にまつわる風習があります。

きゅうり加持

きゅうり加持とは、水分豊富なきゅうりにあやかり、暑い夏を乗り切るための祈祷儀式をおこないます。
きゅうりに厄災を封じ込めることで、無事に過ごせるそうです。
弘法大師が広めたといわれ、「きゅうり封じ」とも呼ばれています。
現在は小豆島の大観音、愛媛の永徳寺と栴檀寺、京都の神光院のきゅうり加持が知られています。他のお寺でも行われているので、尋ねてみてください。

夏バテ・疲労回復に丑湯

「丑湯」は古くから続いている夏の土用の風習の一つ。これは、土用の丑の日に薬草を入れた湯につかり、夏バテ防止や疲労回復を促す風習です。
江戸時代には桃の葉がよく使われていました。また、ヨモギ、ドクダミ、緑茶、柿の葉なども薬湯にしたそうです。

夏はシャワーだけで済ませてしまう方も多いですが、夏バテをしやすいときほど、湯舟で疲れを取るようにしましょう。

今回は土用の丑の日の起源などについてご紹介しました。
いまや定番となったイベントも、以外と知らないことが多いのではないでしょうか?
土用の丑の日のころは、暑さが本格的になり始めで、体がついていかず、夏風邪などをひきやすい時。
しっかりと栄養を摂って、暑い夏を乗りきる準備をしましょう。

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