
長寿大国として有名な日本。女性の平均寿命は87歳と言われます。一方、女性の健康寿命は74歳というデータがあるのはご存知でしょうか?
健康寿命とは、介護を受けずに自立して生活できる期間のこと。加えて、重い持病がなく生活を制限されない状態を言います。
平均寿命87歳に対して、健康寿命74歳。
実に13年もの隔たりが。
これはこの時間、制限された生活が待っているということ。このような状態を防ぐため、今叫ばれているのが「ヘルスリテラシー」です。

そもそも健康な状態とは
健康、健康。
テレビでも雑誌でもネットでもよく耳にしますが、健康とはいったい何でしょうか?
その問いに答えらえる方は何人いるでしょうか?
誰もが一度は考え、きっとそれぞれの考え方もあるはず。
この問いに対してWHOでは、1947年に次 のように定義されました。
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」
この健康の定義は今でも世界中で使われています。
ですが、最近ではヘルスリテラシーが叫ばれ、すでに書いたように、
日本人の女性でも平均寿命と健康寿命の間には13年もの時間差があります。

ヘルスリテラシーとは?
聞きなれない言葉かもしれませんが、「リテラシー」とは、一言で言うと「読解力」。転じて、「正確に理解し、活用できる力」を言います。
最近では「ネットリテラシー」という言葉がよく聞かれるようになりましたが、これは「インターネットを適切に使いこなす能力」。
ヘルスリテラシーとは、健康や医療に関する情報を入手したり、理解したりするための能力のことです。残念ながら日本人はヘルスリテラシーが低いと言われています。
ヘルスリテラシーが低いと?
ヘルスリテラシーが低いとは、どういうことなのでしょうか。
予防サービス(健康診断、がん検診、予防接種など)を利用しない
検診や予防接種に関する知識や情報が少ない・持っていないため、検診や予防接種を受けない・受けられない方がいます。
検診や予防接種については、国や地方自治体で実施していたり、補助金が出るなどのケースもあります。
しかしこれらの情報を知らないと、「受けたいがどこへ行けばよいか分からない」「受けられるのかどうかわからない」という考え方から、「わからないからそのままにしている」という状態に陥りがち。

ヘルスリテラシーを高めるには?
ヘルスリテラシーと健康寿命には密接な関係があります。健康寿命を延ばすためには、自分の体についてよく知り、医療機関や情報を適切に利用することが必要です。
ヘルスリテラシーを高めるには、どうしたらよいのでしょう?
情報収集能力を身に付けましょう
テレビをつけると「〇〇がお勧め」。ネットの広告で「〇〇にいいサプリメント」など健康情報について触れない日はない昨今。
「これは正しい情報だろうか?」と疑問に思い、正しい情報かどうか調査しましょう。正しい情報を覚えると、次第に惑わされないようになります。
あやふやな情報に惑わされなくなると、今度は自分の欲しい情報を的確に見つけられるようになります。
かかりつけ医を持ちましょう
家族みんなで受診できる病院があると、医師の方でも対処しやすくなります。カゼや予防接種、健康診断などで受診したら、ついでに不安に思っていることを相談しましょう。自分で調べてもわからなかったことを聞いてみたりするのもいいですね。

女性のヘルスリテラシー
とくに日本においては、女性が婦人科系の症状を相談しにくいことから、女性のヘルスリテラシーを高めにくい、と言われます。
近くに相談できるところがなかったり、あっても知らなかったり。しかしフェムテックの登場など、女性の健康支援も進化しています。理解のある婦人科や企業、学校も増えているので、チェックしてみましょう。
まずは情報を入手することが、ヘルスリテラシーを高める第一歩です。
フェムテックとは
FemtechとはFemale(女性)のTechnology(テクノロジー、技術)をかけあわせた造語。女性の悩みを技術で解決しよう!という商品・サービスをいい、女性の社会進出にともなって注目されています。
妊娠・出産や妊活、更年期障害などに直面し、仕事との両立に悩んだり、退職を選択する女性は多いはず。月経痛による生産性の低下など、経済損失は年間5,000億円とも言われます。
従来、こうした問題は女性個人の課題とされてきました。しかし近年では、社会全体の課題とする風潮が高まっています。フェムテックは女性のヘルスリテラシーを高めるのに一役買ってくれることでしょう。

ヘルスリテラシーを高めて健康な毎日を
ヘルスリテラシーとは、病気や医療、健康に対する知識を適切に利用すること。まずは知ることから、健康への第一歩が始まります。
なにが正しいのか?ときには批判的な見方をしながら、迷ったら相談できる親しい家族や友人、そしてかかりつけ医・かかりつけ薬局を持っておくことが大切です。
生きていることは、健康であること。
行きたい場所に行け、食べたいものを食べ、やりたいことをやる。
そんな毎日のためにヘルスリテラシーを高めて健康な日々を送りたいですね。

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