
街中を歩いているとフッと香る淹れたてのコーヒーの香り。
夕立ちのときの夏草の匂い。
生きる中で切り離すことができない「香り」ですが、人は一週間で2000種類以上の香りを嗅いでいると言われます。

香りと記憶の結びつき
「香り」を嗅いでこんな経験ありませんか?
すれ違った人からフッと香る香水。
その香水の香りから、昔付き合っていた人を思い出す・・・。
これは、記憶の中に「香り」が焼き付いているからです。
「香り」からそれに結び付く記憶や感情を呼び起こすことを「プルースト効果」と呼ばれます。
フランスの作家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』という小説の中で、主人公がマドレーヌを紅茶に浸した際、その香りで幼少時代を思い出す場面があり、その描写が元になって名付けられました。
では、なぜこのようなプルースト効果が起こるのでしょうか。

香りを感じる体の仕組み
そもそも、香りを感じるのは、人の五感の一つである嗅覚があるから。
この嗅覚は唯一、「大脳辺縁系」へ直接伝達するものなのです。
脳には、理性を司る「大脳新皮質」と感情・本能を司る「大脳辺縁系」の二つがあります。
鼻から入った香りは、嗅細胞から嗅球を通り、「大脳辺縁系」に到達します。
この「大脳辺縁系」には記憶を支配する「海馬」があり、その海馬へ香りが到達し、焼き付いた記憶が呼び起こされるのです。
なんと、その速度は0.2秒。痛みが脳へ伝わるのが0.9秒と言われているので、それよりもかなり早い速度で「香り」は脳へ届いているのです。
香りが脳へ直接かつ短時間で届くからこそ、記憶が思い起こされるのです。
またそれだけでなく、美容、健康の増進、リラクセーション、スポーツ、介護や医療、予防医学など様々な分野で使用されています。
例えば、医療の分野では、認知症でアロマオイルが使われるなど幅広く使用されてきていたりもするのです。
「香り」の種類を分けると7種類
このような「香り」ですが、一言で「香り」と言っても、大きく7種類に分類されます。
ウッディ系
ユーカリやティートゥリー、ヒノキなど。森林浴の気分を感じられるような精神の落ち着きとすっきりとした清涼感などを感じられるものが多いです。
フローラル系
ローズやラベンダーなど。甘く華やかな花の香りです。

シトラス系
レモンやグレープフルーツなど、みずみずしくフレッシュな爽やかな香りです。
年齢、性別問わず幅広く好まれ、リフレッシュなどに使用されることが多いです。

オリエンタル系
バニラやサンダルウッドなどオリエンタルな雰囲気を感じられるような神秘的なイメージが特徴です。
スパイス系
シナモン、コリアンダー、ジンジャーなどアジア料理やインド料理などをイメージさせる刺激的な香辛料の香りです。

ハーブ系
ローズマリーやセージ、タイム、ペパーミントなど。古代から薬草としても使用されてきたものも多いです。

樹脂系
フランキンセンスやミルラなど。木の樹脂から採取される香料。重厚で穏やかな甘い香りが特徴です。
選びたい「香り」の質
その種類や効果は多種多様な「香り」。
「香り」を選ぶときに、種類だけではなく、その製造方法も選びたいもの。
化粧品や日用品の成分表に記載されている香りづけをしている「香料」。
もともとは、花やハーブなど植物からの天然由来のものから作られていましたが、
時代の変化とともに、安定して香りが長く持続するようにと合成香料が増えてきました。
それぞれの違いはなんでしょうか。
化学的に作られた合成香料
合成香料でもさらに同じ香り成分から特定の成分を取り出し似た香りを作り出す方法と、石油系原料を使い人工的に合成して作られる方法の2種類に分けられます。
合成香料で作られる種類は3000を超えています。
これらの方法により、いつでも安定して同じ香りが低コストで作れ、長時間持続することが可能になりました。
自然界から抽出した天然香料
天然香料は、自然界の動植物から抽出、圧縮、蒸留、酵素処理などをして抽出しています。
本来、植物などが敵から身を守るために作られたものも多く、そのため、人にとっても気持ちを落ち着かせたり、ホルモンバランスを整えてくれる、ウイルスや害虫から守ってくれるなどの効果が期待できるのです。
どちらの作られ方にもメリットデメリットがあるので、
必要に応じて選ぶことがお勧めです!

「香り」自体は目に見えるものではありませんが、効果的に使用すれば集中力を高めたり、安眠、リラックスできる…など気分転換やコンディションの調整などいいことづくめです。
朝、目が覚めたらお湯に垂らして嗅いでみたり、通勤のマスクの内側に使ってみたり、一日の終わりのお風呂で使ってみたり。
ヴィラロドラ取扱い美容室ではアロマと一緒にヘアカラーやヘッドスパを体験することができます。
美容室でアロマを体験しながら、日頃の疲れを解消し、ほっと一息つく時間にしてみてはいかがでしょうか。
「香り」はイメージするだけでも普段のちょっとした行動が楽しく、彩り豊かになります。
まずはあなたが好きだと感じる香りを試してみるのはいかがでしょうか。
参考:
アルツハイマー病患者に対する アロマセラピーの有用性
http://dementia.umin.jp/19-1-77-85.pdf
アロマテラピー検定 AEAJ
https://www.aromakankyo.or.jp/
日本香料工業会
http://www.jffma-jp.org/course/

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