vol.641 夏バテ対策は5月・6月から!
初夏に始める“赤い食材”の養生習慣

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2days ago

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日差しに力強さが加わり、汗ばむ日が増えてくる5月、6月。本格的な夏の到来はまだ先のように感じられますが、実はこの時期の過ごし方こそが、8月の夏バテの明暗を分ける重要な鍵を握っています。

「毎年、夏になるとなんだか体がだるい」「食欲が落ちて元気が出ない」
こうした不調は本格的な暑さが始まる前の“準備不足”が影響しているとも考えられています。
暑さが本格化してから対策を練るのではなく、まだ体が暑さに慣れていない初夏の今から、内側をメンテナンスしておく。この「先回り」の知恵こそが、過酷な猛暑を軽やかに乗り切るためのヒントです。

今の時期の養生テーマとして注目したいのは、食卓を彩る「赤い食材」です。初夏から取り入れたい赤い食材とその活用法をご紹介します。

なぜ初夏から養生が必要?夏バテは“準備不足”で起こる

夏バテの主な要因には、暑さによる体力の消耗や、発汗による水分・エネルギーの不足などが挙げられます。また、冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎによって胃腸の働きが弱まり、食欲不振やだるさにつながることもあります。

東洋医学では、こうした状態を未然に防ぐために「未病(みびょう)」という考え方を大切にしています。未病とは、まだ病気とはいえないものの、体のバランスが崩れ始めている状態のことです。
体が本格的にバランスを崩す前に、日々の暮らしを通じて整えておく「養生(ようじょう)」の考え方が重視されています。つまり、夏本番を迎える前の初夏こそ、体調を整える絶好のタイミングなのです。

五行説で見る「夏」と「心(しん)」と「赤」の関係

東洋医学の根本には、自然界のあらゆる事象を「木・火・土・金・水」の5つの要素に分類する「五行説(ごぎょうせつ)」という考え方があります。この考え方では、季節、臓器、感情、そして色が密接に関連しているとされています。

この五行説において、夏の季節に対応するのは「火(か)」のエネルギーです。そして、この「火」の季節に影響を受けやすいとされる臓器が「心(しん)」であり、その対応色が「赤」とされています。

ここでいう「心」とは、西洋医学的な心臓のポンプ機能だけを指すものではありません。全身に血液を巡らせる役割に加え、東洋医学では「神(しん)」、つまり精神や意識、睡眠の質とも関わると考えられています。

気温が上昇し、「火」の気が強まると、「心」に負担がかかりやすくなるといわれています。その結果、のぼせやほてりといった体の不調だけでなく、イライラや不安感、寝つきの悪さなど、心身のバランスの乱れとして現れることがあります。

こうした季節の変化に対応するために、「赤」の食材を取り入れることが役立つと考えられています。

なぜ「赤い食材」が良いとされるのか?

赤い色の食べ物が夏の体に良い影響を与えるとされる背景には、「清熱(せいねつ)」と「補血(ほけつ)」という考え方があります。

まず、多くの赤い食材には、体内にこもった余分な熱を穏やかに冷ます「清熱」の性質があるとされています。これにより、のぼせやほてりをやわらげ、体を内側から整えるサポートが期待されます。

また、「補血」は、体に必要な栄養やうるおいを補うという考え方です。夏は発汗により水分だけでなく、体に必要なエネルギーも失われやすい時期とされており、こうした要素を補うことが大切とされています。

こうした伝統的な知恵は、現代の栄養学の視点とも重なる部分があります。たとえば、トマトに含まれるリコピンや、ベリー類に含まれるアントシアニンなどの赤い色素成分は、ポリフェノールの一種として知られています。

これらは、日差しの強い季節における体調管理を意識した食生活の一助になると考えられています。

初夏におすすめの“赤い食材”とその特徴

初夏の養生に取り入れたい、代表的な赤い食材をご紹介します。

トマト・スイカ:熱を冷まし、潤いを与える

トマトやスイカは水分が豊富で、暑い時期にも取り入れやすい食材です。体にこもりがちな熱をやわらげる食材としても知られています。
ただし、冷たい状態での摂りすぎは胃腸への負担につながることもあるため、適量を意識しましょう。

クコの実・なつめ:血を補い、元気をチャージする

「最近疲れやすい」「顔色が優れない」「立ちくらみがする」という方におすすめなのが、薬膳の定番でもあるクコの実やなつめです。これらは「血」をダイレクトに補うスーパーフード。乾燥した状態で売られていることが多いので、お茶に入れたり、スープに浮かべたりするだけで手軽に養生が実践できます。

小豆・赤ピーマン:巡りを良くし、重だるさを飛ばす

梅雨時期の湿気と暑さが重なると、体の中に余分な水分が溜まり、体が重だるく感じられます。小豆には利尿作用があり、体内の水分バランスを整えて巡りをスムーズにする働きがあります。また、赤ピーマンは「気」の巡りを助け、沈みがちな気分を明るく保つのに役立ちます。

カツオや赤身の肉:スタミナを蓄える

初夏に旬を迎える「初カツオ」や、牛肉・ラム肉などの赤身肉は、良質なタンパク質とともに「血」と「気」を補います。夏本番に向けて、基礎的な体力を底上げしておきたい時に積極的に取り入れましょう。

夏バテしにくい体をつくる食べ方のコツ

赤い食材を取り入れるだけでなく、食べ方にもひと工夫することで、より快適に夏を迎えやすくなります。

まず意識したいのが、冷たいものの摂りすぎを避けることです。冷たい飲食物は一時的に心地よく感じますが、摂りすぎると胃腸に負担がかかることがあります。

一方で、温かいスープや常温の飲み物を取り入れることで、体の内側をやさしく整えることにつながります。

また、トマトと卵を合わせたスープのように、消化にやさしい食材と組み合わせるのもおすすめです。さらに、食事は朝や昼など活動量の多い時間帯に意識して摂ることで、日々のコンディション維持に役立ちます。

夏を元気に過ごすための準備は、本格的な暑さが訪れる前の初夏から始めることが大切です。東洋医学の考え方をヒントに、赤い食材を日々の食事に取り入れることで、体のバランスを意識した食生活につながります。
特別なことをする必要はなく、できることから少しずつ取り入れるだけでも十分です。無理なく続けながら、軽やかな体で夏を迎えてみてはいかがでしょうか。

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