vol.589 フードマイレージを考えると変わる!
未来を守る食の新習慣

column

2days ago

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今日のランチで食べたアボカド、ディナーの主役だったサーモン、朝のスムージーに入れたバナナ。私たちの食卓には、世界中から届いた食材が並びます。
スーパーで手に取ったその野菜や果物に対して、「この食材、どこから来たんだろう?」と考えたことはありますか?もしかすると実は地球の裏側からはるばる旅をしてきたものかもしれません。
毎日の買い物はとても身近な行為ですが、そこには環境や社会と深くつながるストーリーがあります。最近耳にする「地産地消」や「サステナブルな暮らし」という言葉。その背景にある考え方のひとつが「フードマイレージ」です。実は、食材がたどってきた「距離」に目を向けることが、地球にも私たちの暮らしにも良い変化をもたらす、素敵なアクションに繋がります。地球環境に優しく、自分や家族の健康にも役立つ視点として、いま改めて注目されています。

そもそも「フードマイレージ」って何?

フードマイレージとは、「食料の輸送量 × 輸送距離」で計算される指標のこと。簡単に言えば「食べ物の旅の長さ」。この数値が大きいほど、輸送にかかるエネルギーやCO2の排出量が多く、環境への負荷が大きいことを意味します。
たとえば日本に届く小麦の多くはアメリカやオーストラリアから船で輸入されます。南米から届くアボカド、ニュージーランド産のキウイなど、海外からやって来る食材は数えきれません。
そして、驚くべきことに、日本は世界でもトップクラスの「フードマイレージ大国」なのです。農林水産省のデータによると、日本のフードマイレージは他の先進国と比べても突出して高い数値を示しています。その背景には、6割以上を輸入に頼る低い食料自給率や、季節を問わず世界中の食材を求める私たちの食文化が関係しています。便利さの裏側で、知らず知らずのうちに地球に負担をかけているのかもしれません。

なぜ問題なのか?

フードマイレージが大きいと、輸送にかかる燃料消費や温室効果ガスの排出が増えます。これは地球温暖化の一因であり、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」に直結する問題です。
さらに、遠くから食材を輸入することは、国内の農業や地域の食文化の衰退にもつながりかねません。安価で大量の輸入品が流通すると、地元の農家が生産を続けるのが難しくなるのです。また、輸送中に品質を保つための包装や保存エネルギーも必要になります 。
つまり、フードマイレージの大きさは単に「距離」の問題ではなく、環境・経済・社会すべてに関わる課題だといえます。

今日からできる!おいしくて楽しい、フードマイレージ削減アクション

「なんだか大変そう…」と感じたかもしれませんが、心配ありません。「フードマイレージを減らす」と聞くと大変そうに思えるかもしれませんが、実は日常の中でできる工夫はたくさんあります。

地元の恵みを味わう「地産地消」

週末に、近所のファーマーズマーケットや道の駅に足を運んでみませんか?採れたてで新鮮な野菜は、驚くほど味が濃く、美味しいものです。作り手の顔が見える安心感も嬉しいポイント。スーパーでも、地元産のコーナーを意識して覗いてみるのがおすすめです。

季節をいただく「旬の食材」

旬の食材を選ぶことも、立派なアクションです。本来その土地で育つ季節のものは、栄養価が高く、価格も手頃。何より、その時期にしか味わえない美味しさは、私たちの食卓に彩りを与えてくれます。

買い物の際の小さな習慣「産地チェック」

食品を手に取ったら、裏側の「原産国表示」を見てみましょう。「今日はなるべく近くの産地のものを選んでみよう」とゲーム感覚で楽しむのも一つです。日本産を選ぶだけでも、フードマイレージ削減に大きく貢献できます。

育てる楽しみ「家庭菜園」

ベランダや窓際で、ハーブやミニトマトを育ててみるのも素敵です。自分で育てた野菜を収穫して食べる喜びは格別。フードマイレージは、究極の「ゼロ」になります。

私の一皿が、未来をつくる

フードマイレージを意識した食生活は、地球環境に優しいだけでなく、新鮮で栄養価の高い食材を選ぶことで私たちの心と体を健やかにし、地域の生産者を応援することにも繋がります。
完璧を目指す必要はありません。まずは「週に一度、地元の野菜を買ってみる」「旬の果物でおやつを作る」など、楽しみながらできることから始めてみませんか。
あなたの日々の買い物が、より良い未来をつくるための、パワフルな一票になるのです。

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