vol.632 毎年、東京都60個分の森林が消えるー
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の現実

column

2026.04.20

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私たちが暮らす地球の「陸」。そこには、呼吸に欠かせない酸素を生み出す森林があり、食料を育む豊かな土壌があり、数え切れないほどの生き物たちが暮らしています。私たち人間もまた、その恵みを受けながら生活しています。
しかし今、その陸の豊かさが、かつてないスピードで失われていることをご存知でしょうか。

2030年までの国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)。その目標15「陸の豊かさも守ろう」は、人類の生存基盤そのものを守るための、極めて重要なミッションです。気候変動や貧困問題と比べると、少し地味に感じられるかもしれませんが、実は私たちの暮らしの土台そのものに深く関わっています。
目標達成まで残り5年を切った今、世界で何が起きているのか。その現状を詳しく紐解いていきましょう。

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」とは

SDGs目標15では、森林の保全、砂漠化の防止、土地の劣化の回復、生物多様性の損失を食い止めることなどが掲げられています。簡単に言えば、「陸の自然環境を壊さず、未来につなげていこう」という約束です。
森林は二酸化炭素を吸収し、気候を安定させる役割を担っています。また、土壌は農作物を育て、水を蓄え、生態系を支えています。
しかし現在、毎年広大な森林が消失し、100万種以上の野生生物が絶滅の危機にさらされています。この目標は、こうした危機を止め、自然がもたらす恩恵を次世代に引き継ぐための指針です。森林を守り、適切に利用し、生き物たちが共生できる豊かな大地を取り戻すことが、私たち人類の持続可能な未来に直結しています。

毎年「東京都の約60倍」の森林が消えている

森林は、二酸化炭素を吸収して酸素を供給するだけでなく、気候を安定させ、水を蓄える役割も果たしています。しかし、その森林がいま、猛烈な勢いで減少しています。

国連食糧農業機関(FAO)の報告によると、世界では毎年、約1,300万ヘクタールもの森林が失われています。これは、日本の国土の約3分の1に相当する面積が、毎年失われている計算になります。

なぜ森林破壊は止まらないのか?

その主な原因は、私たちの「消費」と深く結びついています。

農業用地への転換:牛肉、大豆(家畜の餌)、パーム油(加工食品や洗剤の原料)などを生産するため、アマゾンなどの熱帯雨林が焼き払われています。

不法伐採:安価な木材や紙製品を求める市場の声が、管理されていない過剰な伐採を助長しています。

森林が消えることは、単に木がなくなるだけではありません。蓄えられていた炭素が大気中に放出され、地球温暖化をさらに加速させるという負のループを生み出しているのです。

100万種が絶滅の危機。「生物多様性」という防波堤の崩壊

陸の豊かさを守る上で、欠かせないのが「生物多様性」です。現在、地球上には未知の種を含め数百万から1,000万種以上の生き物が存在すると言われていますが、そのうち約100万種が、わずか数十年以内に絶滅する恐れがあります。
これは、地球の歴史上「6度目の大絶滅」と呼ばれるほどの異常事態です。

生態系サービスという恩恵

私たちは、自然から「生態系サービス」という計り知れない恩恵を受けています。
例えば、世界の作物の75%以上は、ハチなどの受粉によって支えられています。
また、健康な土壌や湿地は、水を浄化し、病原菌の拡散を防いでくれます。

生物多様性が失われることは、この「安全装置」が壊れることを意味します。2025年現在、新興感染症の増加や食糧不安が世界的に問題視されていますが、これらはすべて陸の生態系のバランスが崩れた結果として捉えられています。

止まらない「土地の劣化」

SDGs目標15がターゲットにしているもう一つの大きな課題が「土地の劣化」です。

現在、地球上の陸地の約25%(4分の1)以上が、すでに劣化していると言われています。気候変動による干ばつや、過度な放牧、不適切な農業によって土壌の栄養が失われ、植物が育たなくなっているのです。

土地が枯れれば、農作物は育たず、人々は住む場所を追われます。これが「環境難民」や貧困の連鎖、さらには限られた資源を奪い合う紛争の火種にもなっています。陸の豊かさを守ることは、平和で安定した社会を守ることと直結しているのです。

前編では、世界規模で進む森林破壊、生物多様性の喪失、土地の劣化という、陸の生態系をめぐる深刻な現状を見てきました。これらはすべて、遠いアフリカや南米のジャングルだけの話ではありません。私たちの食卓や衣服、住まいの選択が、巡り巡って地球の裏側の「陸」に影響を与えています。

では、私たちが暮らす日本はどうでしょうか? 一見、緑豊かな山々に囲まれているように見える日本ですが、実はその内部では、世界とはまた異なる「陸の危機」が進行しています。

後編では、日本の森林が抱える意外な課題と、私たちが今日から始められる具体的なアクションについて詳しく解説します。

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参考
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/sustainable_development_goals/biodiversity/
https://spaceshipearth.jp/sdgs15/
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/con_2.html
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h30/html/hj18010101.html
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/biodiv_crisis.html

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