vol.590 「歩く」だけで体も心も整う。
現代人に必要な“最高のセルフケア習慣”

column

2days ago

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「最近、運動不足を痛感している」「なんだか体がだる重く、寝ても疲れが取れない」「理由もないのにイライラしたり、気分が落ち込んだりする」「仕事をして帰宅後もテレビを見て過ごしたり、スマホを見ていて、気づけば今日も一日、座りっぱなし」
そんな方は多いのではないでしょうか。
現代を生きる私たちは、日々多くのタスクやストレスに追われ、心身の不調を感じやすい環境にいます。
でも、そんな現代人でも手軽で、今すぐ始められることが「歩く」ことです。
特別な道具も時間もいらないのに、私たちの心と体に驚くほど多くのメリットをもたらしてくれる習慣です。

「運動は苦手」「続ける自信がない」という人でも、日常生活の中で“歩く”時間を少し意識するだけで、健康だけでなく、気分や思考にもポジティブな変化が訪れます。
毎日の“何気ない一歩”が、じつは未来の自分を整える第一歩なのです。

なぜ今、改めて「歩く」ことが注目されるのか?

リモートワークの普及や交通機関の発達により、私たちの日常生活における「歩く時間」は劇的に減少しました。現代人の多くは、1日のうち7〜9時間を座って過ごしていると言われています。
慢性的な運動不足は、肥満や生活習慣病だけでなく、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。

一方で、ストレス社会において「心の健康」の重要性も高まっています。

病気ではないが、なんとなく不調な「未病」の状態を抱える人が増える中、特別な準備も場所も必要とせず、心と体の両方にアプローチできる「歩くこと」が、最も効率的で持続可能な健康法として、今、改めてその価値を見直されているのです。
歩くことは、ジム通いやハードな運動のように構える必要がなく、誰でも・どこでも・すぐに始められるのが魅力。
「続けやすさ」こそが、歩く習慣の最大のメリットです。

歩くことが「体」にもたらすメリット

歩くことが私たちの「体」にもたらすメリットは多岐にわたります。
第一に、ウォーキングは脂肪を燃焼させる有酸素運動です。血流を促し、酸素を全身に行き渡らせることで、代謝を高め、脂肪の燃焼を助けます。同時に下半身の筋肉を鍛えることで基礎代謝を上げ、「痩せやすい体」へと導くダイエット効果があります。

第二に、血糖値や血圧の安定、悪玉コレステロールの減少など、健康診断の数値改善にも効果を発揮し、生活習慣病の予防・改善にも役立ちます。
それに、「第二の心臓」と言われるふくらはぎのポンプ機能が活性化し、全身の血流が促進されるため、ひえ・むくみ・肩こりといった慢性的な不調の解消が期待できます。

血流が良くなり、体温上昇とともに免疫細胞が活性化し、風邪をひきにくい丈夫な体づくりにも貢献します。
日々の歩行は、体のメンテナンスそのものなのです。

歩くことが「心」にもたらすメリット

歩くことのメリットは、身体だけにとどまりません。私たちの「心」や「脳」にも素晴らしい効果をもたらします。

「歩いているうちに気分が晴れた」「考えが整理された」――そんな経験はありませんか?
実はこれも、歩くメリットのひとつ。
ウォーキングのような一定のリズムを刻む運動は、緊張や興奮を司る「交感神経」の働きを抑え、リラックスを司る「副交感神経」を優位にする効果があります。特に「朝の散歩」は、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜の自然な眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌を促します。結果として、睡眠の質が向上し、日中のイライラや不安感の軽減につながります。

また、適度な運動は、ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌を抑制する働きがあることもわかっています。
さらに自然の中を歩くと、脳内でセロトニンが活性化し、“幸せホルモン”と呼ばれる物質が増えるため、気分が前向きになりやすくなるのです。
歩きながら景色を眺めたり、風を感じたりすることで、悩み事でいっぱいだった頭の中がリフレッシュされます。モヤモヤしたときは、まず外に出て歩いてみましょう。

さらに、歩くことで思考が柔軟になり、創造的なアイデアが生まれやすくなるという研究もあります。
歩くことは「脳トレ」にもなります。歩行によって全身の血流が良くなると、当然、脳への血流も増加します。脳に十分な酸素と栄養が供給されることで、脳細胞が活性化。特に、記憶をつかさどる「海馬」の機能が向上するとも言われています。仕事や勉強のアイデアが煮詰まった時に歩くと、クリエイティブなアイデアが生まれるのはこのためです。

実際、スティーブ・ジョブズをはじめとする多くの著名人が、“ウォーキングミーティング”を取り入れていたことでも知られています。
考えごとで頭がいっぱいになったときこそ、机から離れて歩いてみる――それが一番のリセット法なのかもしれません。

無理なく続けるための“歩く習慣”のコツ

「続ける自信がない」「三日坊主になりそう」――そんな人にこそ試してほしいのが、“小さなきっかけ”をつくること。

たとえば、
・通勤で、一駅前で降りて歩く
・エスカレーターではなく階段を使う
・ランチのあと10分だけ散歩する
・お気に入りの音楽やポッドキャストを聴きながら歩く

こうした小さな工夫でも、“毎日歩く”というリズムが生まれます。
「〇分歩かなければ」「〇歩達成しなければ」と目標を義務にしてしまうと続きません。
大切なのは、「気持ちいいから歩く」「リフレッシュしたいから歩く」と、感覚的に楽しむことです。

また、1時間以上座りっぱなしの時間を避けるだけでも、血流や代謝が改善されるという報告もあります。
「歩く=特別な運動」ではなく、「日常の延長にある習慣」として取り入れていくのがおすすめです。

人生を変える“一歩”を、今日から

歩く習慣は、単に「健康のため」だけではなく、暮らし全体を豊かにします。
季節の風や香り、道端の草花、人との挨拶――歩くことで五感が開き、日々の小さな幸せに気づきやすくなるのです。
また、“歩く時間”は自分と向き合う時間でもあります。
朝の静かな時間に歩けば、一日のリズムを整えられ、夜の散歩は心を落ち着けるリセットタイムに。
日常の中で自然と“マインドフルネス(今この瞬間に意識を向ける)”を実践できるのが、歩くという行為の奥深い魅力です。

「歩くこと」は、コストゼロで始められる、最もシンプルかつ強力な「自己投資」なのです。
体に活力を与え、心を整え、脳を活性化させる。ウォーキングがもたらす無数のメリットは、あなたのQOL(生活の質)そのものを確実に高めてくれます。

まずは今日、5分でもいいから外に出てみましょう。
空気を感じながら歩くだけで、心が少し軽くなるはず。
その一歩が、健康にも幸せにもつながる――それが、“歩く”という最高の習慣です。

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