vol.364 農家、漁業などで促進されている6次産業化(6次化)とは?
メリットデメリットも解説

column

2023.08.30

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6次産業化という取り組みをご存じでしょうか?
農林水産省も推進している取り組みで、今後の農林漁業の所得向上や少子高齢化や過疎化などの問題から地方創生を支える一つのカギとも言われています。

6次産業化とはどのようなものか、また、そのメリットデメリットを紹介します。

6次産業化とは

6次産業化とは、1次産業を担う【農林漁業者】が、自ら2次産業である【加工業】や3次産業の【販売・サービス業】を手掛け、生産物の付加価値を高めて農林漁業者の所得を向上する取り組みを指します。
1次産業にほかの産業を掛け算して6次産業としているわけです。

6次産業 = 1次産業(農林漁業)× 2次産業(加工)× 3次産業(販売・サービス)

分かりやすく言うと、例えば、農家が作物の生産だけを行うのではなく、道の駅、マルシェなどで、自分たちで販売したり、ジャムなどに加工をして販売したりしていることです。

この1次・2次・3次の掛け算によって農林水産物(1次産品)の付加価値を向上させることが、6次産業化のコンセプトです。

なぜ6次産業化が必要なのか?そのメリットは

なぜ今、6次産業化が必要とされているのでしょうか。

6次産業が生まれた背景

6次産業という言葉は、1994年に現東京大学名誉教授の今村奈良臣氏によって提唱されました。そして、2010年12月、政府は農林漁業者の6次産業化を推進するために、「六次産業化・地産地消法」を公布。近年は、国を挙げて推進されています。

その背景には、農林水産物の市場規模の低迷という問題があります。
消費者が食料品に支払う金額は増えているものの、食の外部化や簡便化が進み、国産の農水産物のシェアは低下。農林漁業者の所得は伸び悩みを見せている状態でこういったことを解決しようと6次産業化が生まれました。

6次産業化がもたらすメリット①所得向上

6次産業化は、第1次産業を担う人たちの所得向上につながると言われています。
所得向上につながる理由は、農林漁業の生産物を加工 して付加価値を高めることができ1次産業とは別の所得を受け取ることができることです。
また、農産物を加工して加工食品や加工品にすることで、新たな市場や需要を開拓できます。

実際、2011年に日本政策金融公庫が行った農家への6次産業化のアンケート調査で、「所得が向上する」という回答が74.5%、次いで、「農産物の生産拡大につながる」が50.3%となりました。

6次産業化がもたらすメリット②雇用の拡大

6次産業化に取り組むことで、農繁期の期間雇用ではなく、農業以外の部門に社員としてスタッフを迎え入れることが可能になります。
例えば、加工業や農家レストランを運営する場合には、農業以外の収入源を通年で確保できます。また、体力的に農作業や漁に出ることができなくなった高齢者でも参加可能な仕事が生まれることが考えられます。

こういったことから、地方の人口減少や少子高齢化といった問題の緩和効果を見込むことができるのです。

6次産業化のデメリット

6次産業化をすすめる上で 見込まれるのは、メリットばかりではありません。

デメリットとしては、資本や専門性が必要になることが挙げられます。加工場などの施設、設備を整えるために、初期投資が必要になったり、流通や販売、マーケティングなどの専門知識も必要となってきます。

必要な人員の確保、加工のための設備投資も必要となるでしょう。
こういった点がまだまだ課題として考えられているのが現状です。

デメリットはあるものの、今の日本をみたときに、地域の活性化は必要不可欠。
また、第1次産業も私たちの生活には必要不可欠。
ですが、第1次産業は人口減少や高齢化などの労働者不足など様々な課題があります。
決して簡単なことではないですが、6次産業化は未来に大きな可能性を秘めています。
私たち消費者もまた、できることはあります。
現状や背景を知った上で、何を選択するのか。考えた買い物、消費をしていきましょう。

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