
野菜や果物を買うときに、有機栽培(オーガニック)のものを選ぶ人が増えてきました。
オーガニックは体にいいといわれますが、なぜオーガニックが体にいいのかご存じでしょうか?
理由はいくつかありますが、そのうちの1つが今回ご紹介する「サルベストロール」。
この名前を聞いたことはあるでしょうか?
これは近年、欧米の医療現場で注目されている植物の成分のこと。
何がいいのか、ご紹介します。

そもそも有機栽培(オーガニック)とは
オーガニックは英語で「Organic」と表記され、この言葉の由来は「本来の」や「源」です。
また、「有機」という意味で用いられます。
化学肥料や農薬などを極力使用せずに、自然の土壌の恵みを生かした農業や栽培法、水産業に畜産業、加工方法全般を指しています。
そこから生まれる食べ物をオーガニック食品、または有機食品と呼びます。近年では、その言葉は、農法や食品にとどまらず、オーガニックコットン、オーガニックコスメ、有機空間など、衣・食・住にかかわる言葉として広がってきています。
オーガニックの農作物に含まれるサルベストロールってどんな成分?
サルベストロールは、オーガニックの野菜や果物、ハーブ等に含まれる植物由来成分です。
植物は真菌(カビ)に攻撃されると、抗菌作用のある成分を生成し、真菌を殺します。
その成分がサルベストロールです。本来はすべての果実や野菜に含まれており、皮・種・中果皮・根などに、黒い斑点となって現れることもあります。
このサルベストロールは、2002年にイギリスの大学研究チームによって発見された成分で、真菌を殺すのと同じように、私たちの体内で抗がん物質となってがん細胞を排除する働きをすることがわかっています。
そのため、自然界の動物はサルベストロールを豊富に含む植物を食べることにより、体内に発生したがん細胞を死滅させているので、人間以外の動物はがんになりにくいのです。

近年の農作物はサルベストロールの含有量が下がっている!?
近年、残念なことに、近代農業で生産されている農作物において、サルベストロールの含有量は大幅に低下しているのが現状。
その背景には、農薬の使用や品種改良などがあります。
防カビ剤を含む農薬が、害虫・真菌感染・雑草侵入などを抑えるようになったため、植物が本来備えている敵から自分を守る力がこれまでのように無くても成長できてしまうのです。
また、サルベストロールは植物の辛味や苦味成分に含まれているのですが、現代の消費者の好みに合わせて辛みや苦みを抑えたり甘味を増すよう品種改良を行っていることなどもサルベストロールを減少させてしまっています。
このような様々な理由から、現代のサルベストロールの摂取量は100年前と比べ1/10程度まで減少しているとも言われています。
ですが、オーガニックの野菜・果物・ハーブ類にはオーガニックでない同種植物に比べ、10倍以上のサルベストロールが含まれると言われています。
サルベストロールを多く含む食材は?
オーガニックの食材の中でもサルベストロールを多く含む食材の一例です。
<野菜>
アボカド・キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・ニンニク・小松菜・ケール・オリーブ・タマネギ・アスパラガス・ゴボウ・エンドウ・そら豆・セロリ・マメ・キュウリ・クレソン・パセリなど

<果物>
レモン・リンゴ・ブルーベリー・クランベリー・ラズベリー・イチゴ・イチジク・タンジェリンオレンジ・ブドウ・洋ナシ・プラムなど
<ハーブ>
バジル・ルイボス・ローズヒップ・パクチー・セージ・カモミール・タイム・ミントなど

サルベストロールは、こういった食材の中の種や皮、根などに多く含まれます。ですから、調理の際にはできるだけ使う部分を多くしましょう。
また、サルベストロールは水溶性の成分なので、調理のゆで汁もあますところなく活用してみてください。
ぜひ、サラダやみそ汁にして、食材そのままの形で食べるのがおすすめです。

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